2019年 10月 22日 (火)

香港「民主要求運動」中国・習近平が狙う10月1日建国70年までに鎮圧

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   香港の民主要求運動と警察の対立が先鋭化し、警察官が拳銃を発砲する事態にまで発展した。元保安当局の銭宝芬さんは「最近の香港警察の取り締まりは、これまで守ってきたガイドラインを逸脱している」と指摘する。警察官の家族は「携帯する武器は普段は使わない。まるで戦争をするみたいなものになった」と話す。

   警察が強硬になった背景には、10月1日の建国70年記念日までに事態の収拾を図りたい中国の習近平指導部の強い意向がある。中国共産党の機関紙は、民主派の元議員ら4人を名指し、アメリカ政府の支援を受けて若者たちを扇動していると非難する動画を公開した。名指しされた4人の元議員の1人、何俊仁さんは「民主派の信用を落とすのが狙いで、われわれは常に監視されています。いまも、この会話を盗聴器で聞いています。1人で歩くときは注意している」と話す。

   中国政府による圧力は市民にも及んでいる。香港を代表する航空会社「キャセイパシフィック」では、パイロットや客室乗務員の解雇が続いている。中国の航空当局が、デモに参加した従業員を香港と中国本土を結ぶ路線の業務に当たらせないと通告したからだ。

   市民たちはこうした動きを「白色テロ」と呼ぶ。6月に取材したときは「香港の自由のためにデモに参加する」とNHKに語っていた男性も、あらためて話を聞こうとすると、「いまは自分の身を守らねばならない」と質問に答えようとしなかった。

集会不許可でも「ポケモンGO」装って集合

   2カ月前と変わったことがもう一つあった。中国本土からの観光客で賑わっていた街で、閉店が相次いでいる。中国国内で抗議活動で危険だと強調する報道が行われ、観光客が激減しているのだ。

   8月29日には、香港警察はこれまで認めていた集会も認めないという決定を下した。だが、賛美歌を歌いながら集会の会場に向かう大勢の人の姿があった。香港では、宗教の集会は警察への届け出なしに行なうことができるためだ。ポケモンGOをやるために集まるという人もいた。集会を禁止されても、市民たちはひるまず、SNSを使って集まる。

   建国記念日が迫る中、中国は直接鎮圧に乗り出すのか、抗議活動は継続するのか。神田外語大学の興梠一郎教授は、「中国政府は民主化が中国本土に浸透する危機があるとみているから、市民の要求はすべて却下されるだろう」と分析した。

黒マスク禁止を法制化?

   中国を取り巻く国際情勢も鍵となる。アメリカのトランプ大統領はツイッターで「貿易交渉で中国は取り引きを望んでいる。だが、まず香港について人道的な対応をしてもらおう」と語っている。これについて、香港の林鄭行政長官は「香港の問題は、米中関係の緊張のなかで国家の主権や安全保障のレベルに格上げされてしまった」と述べた。興梠教授は今後をこう見る。

   「国家の安全保障とか、そういうレベルになったので、行政長官としてはどうしようもないと言っているわけです。中国側の発言を見てると、慎重で、全面的な発動はしたくないという姿勢は見えます。

   ただ、1つ特定の限定的な法律を緊急に立法する。例えば、顔が見えるようにマスクを外させる議論が公式に出始めています。自治権を求める香港の民衆と、それを民主化と見て恐れる中国の中央政府のせめぎ合いは続いていくと思います」

NHKクローズアップ現代+(2019年9月3日放送「出口はどこへ?~香港・岐路を迎えた抗議活動~」)

文   バルバス
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