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「東電を待ってたらラチ明かない!」自分たちで倒木片付け始めた停電住民

   千葉県の大規模停電は18日(2019年9月)午前8時9分時点でも、まだ約4万8900軒の電気が止まっている。東京電力はきのう17日、「前倒しで作業を進め、27日までに全面復旧できる見通し」と発表したが、「相当な規模の被害があるところでは、必ずしも27日までに復旧するとは言えない」という。

   山武市内のレストランオーナーは、停電後からなんとか保存してきた食材を諦めた。「きのうまでは何とか維持していたんだけど、諦めました。捨てるのがつらい」と無念の表情を浮かべる。営業再開に備え、食材や調理済みのスープなどをドライアイスで保存していたが、その費用は1日2万円。営業できずに、費用だけがかかる現実に断念したという。

山武市は森林の3割が倒れた

   復旧が進まないのは、電気だけではない。市原市では倒壊したゴルフ練習場の鉄柱がいまだ複数の住宅の上に覆いかぶさったままだ。

   山武市を上空から見ると、森林の3割ほどが倒木しているのが確認できる。折れた木が生活道路を埋め尽くし、アスファルトが見えないほどだ。倒れた電柱や樹木が電柱にひっかかったままの危うい場所も多い。

   そんな中、倒木の片付けやビニールハウスの修理、伐採作業などを自力でしている住民の姿も見られた。道路をふさぐ枝を片づけていた造園業者の男性は、「東電を待っていたんじゃ、日にちがかかっちゃうから」と話す。自衛隊が派遣されるのは、被害状況を把握した地域からで、山武市にはやっときょうから、倒木・土砂除去のために入る。

千葉県ノロい!ドローンや衛星写真で被害把握急げ

   なぜ、停電の復旧時時間がかかっているのか。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんは「千葉県の被害状況の把握が十分ではなく、東電の情報に頼り過ぎたため、対応が遅くなってしまっている」と話す。東電は東電で「停電の調査が倒木などのために難航し、原因が特定できていない地域がある」と話している。

   三浦瑠麗(国際政治学者)「停電しているので東京電力に注目が集まっていますが、たとえば、敷地内の倒木の除去などはオーナーの責任でもあるわけです。さまざまな私有地があって、オーナーも電話がつながらなくて発信できない状況でしょうが、すべて東京電力に頼っていたら危機管理はできない。いい教訓になりました」

   デーブ・スペクター(放送プロデューサー)「今はドローンとか衛星写真とかいろいろな方法がありますよね。東京に隣接している千葉なのに、情報がつかめないというのは、信じがたい。アメリカのフロリダ州はハリケーンが多いので、ハリケーンが来ると、停電になる前提で数百社の修理のトラックを近くに配置します。いといと課題がありますね」