2024年 3月 29日 (金)

祖父母や両親の「延命治療」どうするか?7割が本人でなく家族が苦しい選択

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   「延命治療」がテーマということで、博多大吉キャスターが「命に関わる大事な決断についてお伝えします。こんな時、みなさんならどうしますか」と提起した。

   延命治療は回復の見込みがない患者に、人工呼吸器を付けるなど生命を維持するだけの治療を施すことだが、それは本人にとって幸せなのだろうか。延命治療を受けるか受けないかの判断を求められる時には、7割の患者が意思決定能力を失っているという米国の調査もある。家族が決断しなければいけないケースがほとんどというわけだ。

すでに認知機能低下で理解・判断できず

   30代の祐子さん(仮名)は、90代の祖母の延命治療について悩んでいる。15年前に脳梗塞で倒れた祖母は、後遺症で体にまひがあり、特別養護老人ホームで暮らす。昨今は認知機能の低下で自分の意志をはっきり話せなくなっていた。

   1年半前、祐子さんの母が施設の医師から、祖母が食事をあまりとれなくなっていること、胃に穴を開け、直接水や流動食を流し込むことで延命する「胃ろう」をしなければ2~3か月の命だということを告げられ、どこまで治療するか家族で話し合うよう言われた。

   祐子さんは「ずっと同じ場所で寝たきりだったから、無理してまで延命しなくても、寿命だからという思いの方がちょっと強かった」と話すが、元気だった頃の祖母に延命治療の意思について確認したことはなく、決断はできなかった。

   同居する家族はみんな同じ気持ちだったが、やはり決断はためらわれた。地元を離れ、年に数回しか祖母と会わない父の兄に相談すると、「胃ろうをして少しでも長く生きられるなら生かしてあげたい」と言われた。

   家族としての意見はまとまらないが、答えを出すのは急がなければならない。結局、伯父の意思を尊重し、延命治療を開始したが、祖母の意思は確認できていなかったので、全員が納得できる決断にはならなかったという。

   胃ろうを開始して1年半が経ち、祖母の状態は安定していた。一方で、記憶は徐々に薄れていき、家族の顔も覚えていないほどになった。変わりゆく祖母の姿を見たくないと、家族の見舞いの足も遠のいていった。

文   ピコ花子
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