祖父母や両親の「延命治療」どうするか?7割が本人でなく家族が苦しい選択
2019.09.18 14:56
0
医療・介護の経済的負担も大きい
祖父の認知症も進行し、祖父母二人にかかる医療や介護の費用は月30万円にのぼった。金銭的にも精神的にも負担を抱える両親の苦労を間近で感じ、祐子さんは胃ろうを続けることへの疑問を募らせていった。
しかし、やはり決断は簡単ではなかった。「現実に祖母を見ると、生きているじゃないですか。生きているのを目の当たりにしたら、『じゃあ今日からさよなら』なんてできないですよね」
祐子さんは延命治療を行わなかった親戚の葬儀に参列した。最後まで意志がはっきりしていたその人には、たくさんの人が別れの言葉をかけに来ていた。「長い間寝たきりで、ほとんど誰も会いに来ない状態で延命治療をして、言葉では言えないけど、祖母自身が寂しいんじゃないかって。親戚が幸せな温かい感じで亡くなっていくのを見たので、ただただ、ある命を限界まで頑張って生き抜くよりも、どこかでふっと見送ってあげることも悪くないかなって」と祐子さんは語る。
家族は胃ろうの中断を決意した。今度は伯父も反対しなかった。これから医師に決断を伝え、今後の方針を決めるそうだ。
文
ピコ花子