2019年 12月 16日 (月)

祖父母や両親の「延命治療」どうするか?7割が本人でなく家族が苦しい選択

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   「延命治療」がテーマということで、博多大吉キャスターが「命に関わる大事な決断についてお伝えします。こんな時、みなさんならどうしますか」と提起した。

   延命治療は回復の見込みがない患者に、人工呼吸器を付けるなど生命を維持するだけの治療を施すことだが、それは本人にとって幸せなのだろうか。延命治療を受けるか受けないかの判断を求められる時には、7割の患者が意思決定能力を失っているという米国の調査もある。家族が決断しなければいけないケースがほとんどというわけだ。

すでに認知機能低下で理解・判断できず

   30代の祐子さん(仮名)は、90代の祖母の延命治療について悩んでいる。15年前に脳梗塞で倒れた祖母は、後遺症で体にまひがあり、特別養護老人ホームで暮らす。昨今は認知機能の低下で自分の意志をはっきり話せなくなっていた。

   1年半前、祐子さんの母が施設の医師から、祖母が食事をあまりとれなくなっていること、胃に穴を開け、直接水や流動食を流し込むことで延命する「胃ろう」をしなければ2~3か月の命だということを告げられ、どこまで治療するか家族で話し合うよう言われた。

   祐子さんは「ずっと同じ場所で寝たきりだったから、無理してまで延命しなくても、寿命だからという思いの方がちょっと強かった」と話すが、元気だった頃の祖母に延命治療の意思について確認したことはなく、決断はできなかった。

   同居する家族はみんな同じ気持ちだったが、やはり決断はためらわれた。地元を離れ、年に数回しか祖母と会わない父の兄に相談すると、「胃ろうをして少しでも長く生きられるなら生かしてあげたい」と言われた。

   家族としての意見はまとまらないが、答えを出すのは急がなければならない。結局、伯父の意思を尊重し、延命治療を開始したが、祖母の意思は確認できていなかったので、全員が納得できる決断にはならなかったという。

   胃ろうを開始して1年半が経ち、祖母の状態は安定していた。一方で、記憶は徐々に薄れていき、家族の顔も覚えていないほどになった。変わりゆく祖母の姿を見たくないと、家族の見舞いの足も遠のいていった。

医療・介護の経済的負担も大きい

   祖父の認知症も進行し、祖父母二人にかかる医療や介護の費用は月30万円にのぼった。金銭的にも精神的にも負担を抱える両親の苦労を間近で感じ、祐子さんは胃ろうを続けることへの疑問を募らせていった。

   しかし、やはり決断は簡単ではなかった。「現実に祖母を見ると、生きているじゃないですか。生きているのを目の当たりにしたら、『じゃあ今日からさよなら』なんてできないですよね」

   祐子さんは延命治療を行わなかった親戚の葬儀に参列した。最後まで意志がはっきりしていたその人には、たくさんの人が別れの言葉をかけに来ていた。「長い間寝たきりで、ほとんど誰も会いに来ない状態で延命治療をして、言葉では言えないけど、祖母自身が寂しいんじゃないかって。親戚が幸せな温かい感じで亡くなっていくのを見たので、ただただ、ある命を限界まで頑張って生き抜くよりも、どこかでふっと見送ってあげることも悪くないかなって」と祐子さんは語る。

   家族は胃ろうの中断を決意した。今度は伯父も反対しなかった。これから医師に決断を伝え、今後の方針を決めるそうだ。

元気なうちにみんなで「人生会議」

   橋本奈穂子アナ「多くの人に、いつかは決断をしなければいけない時が来ます。いざという時が来る前に、本人を含めて、家族で話ができていることが大切になります」

   この「人生会議」には、本人とその家族、治療を担当する医師や看護師、ケアマネージャー、介護福祉士などが出席し、延命治療を行うかどうか、最期はどこで過ごしたいかなどを話し合う。会議は一度ではなく、何度も行い、その時々の意思を確認しておく。記録を残しておくのも大事で、スマホで録画しておくのもいい。

   医師で僧侶の玉置妙憂さんはこう話す。「必ず(気持ちは)変わるんです。まだ食べられている状態で、『食べられなくなったら』という話をしますが、事態はだんだん切迫してきます。食べられなくなったり、呼吸が苦しくなったり、どんなに人生会議を綿密に行って、要所要所で決断らしきものを出したとしても、体の状態などで変わってくるんです。繰り返し行うのはとっても必要ですし、家族としても『会議で決めたんだから。あの時ああ話し合ったじゃないか』というのではなく、変わっていくんだと思っていてください」

   ゲストの勝村政信(俳優)「若いうちから話し合いを続けなきゃいけないのかな。結婚したら夫婦で話し合うとか、子供ができても話し合う、歳を取ってきても話し合う。人生会議だから、何かがスタートした時に話し合うのがいいんじゃないですかね」

文   ピコ花子
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