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「前澤友作」第2幕がありそうな退任劇・・・特捜検察は株取引、背任、インサイダーなど虎視眈眈

   下流老人はこういうタイトルにはうっとりする。「ZOZO前澤友作(43)『人間失格』経営」(週刊文春)。女優を愛人にして、自家用ジェット機でウインブルドンテニスを観に行くなんて人間は、自分とは違う世界に住むと思っていたが、どうやら、経営の失敗で、われわれのいる世界へ少し落ちて来たようである。

   前澤という立派な姓ではなく、名前の友作らしくなってきた。これまでが派手すぎた。土地や別荘、高級な乗用車、その上、美術品を相場の1・5~2倍近い値段で落札して、<「美術品市場を混乱させたと言われています」(全国紙文化部記者)>(週刊文春)

   美術品の価値がわからないから、徒に高い値を出して買い漁ってきたのだろう。その抜け作、ではない友作が、プライベートブランド事業が大失敗したこともあって、とうとう経営悪化のために追い込まれて、ヤフーに持っているZOZO株の約30%を売却して、電撃退任してしまったのである。

   社員のことなど無視したやり方と非難されても、仕方なかろう。この取り引き、背任行為、または「究極のインサイダー取引」(週刊新潮)といわれてもおかしくないものだと、指摘されているのである。

   週刊新潮によると、ZOZO株最安値が1600円台の中、ヤフーには2620円で売却するから、宇宙旅行代の1700億円を差し引いても、友作の手元に600億円のキャッシュが残るという。同じ週刊新潮では、「当局が当時、時代の寵児だった前澤さんの一挙手一投足に注目していたことは事実です。公開情報を精査したうえで、その先に何があるかということですね」と、特捜検察の関係者が不気味なことをいっている。

   この退任劇、第二幕があるのかもしれない。愛人で女優の剛力彩芽はどうなるのか。友作色が付きすぎて、女優としてもCMタレントとしても仕事がなくなってしまったのだから、彼氏と結婚するしかないと思うが、どうやらそうではないようだ。

   週刊文春によれば、彼はZOZOの広報PRを担当していた30代半ばの女性との間に2人子どもがいて、元モデルの女性にも子どもがいるという。2人を高級マンションに住まわせているようだが、「俺以外の男ができたら今の援助は打ち切る」と宣言しているそうである。週刊文春のインタビューで、剛力との結婚について聞かれた彼は、「回答は差し控えます」というだけだが、もう剛力には飽きたという声も聞こえてくる。

   友作社長が購入した葉山町の3000坪の土地には、以前、イトマン事件で特別背任の罪に問われた小早川茂の50億円豪邸が建っていたそうだ。今またそれが売りに出されているといわれるが、虚栄を追い求めた2人がその土地で見ようとしたのは、どんな夢だったのだろう。

「福島原発」津波が来る前に地震で壊れてた!元東電社員の「炉心屋」が検証

   小泉進次郎への風当たりは、環境相就任後、ますます激しくなってきている。就任後の会見で、原発について聞かれ、「どうやったら残せるかではなく、どうやったらなくせるかを考えたい」と、親父を思わせる発言をしたが、「現実的対策を持ち合わせているのか」という疑問の声が記者の間から上がったと、週刊新潮が報じている。

   それは、前任の原田義昭が最後っ屁のような形で、原発からの汚染水について、「思い切って(海に)放出して希釈する以外に、他にあまり選択肢がない」と発言したからだ。この原田発言にも、進次郎は福島県を訪れて「率直に申し訳ない」とお詫びしている。

   私は、ここまでの進次郎の原発に対する発言と行動は評価するが、週刊新潮、週刊文春は気に入らないらしい。週刊新潮では原発容認派から、原発を減らして火力発電にすればCO2が増えてしまう、科学的に見れば原発汚染水に含まれるトリチウムは問題ないと、毎度おなじみの反対論が出てくるが、政府や原子力規制委員会のいうことなど信じられるわけがない。

   それに、いまだに福島第一原発事故は、津波によるものなのか、地震によるものかさえ、わかっていないのである。週刊プレイボーイが、その論争に終止符を打つ人物を登場させている。東電学園高等部を卒業後、東電に入社して、2000年に退職するまで、原子炉の設計・管理業務をやってきた、自称「炉心屋」という木村俊雄である。

   <「福島第一原発で起きたメルトダウンのような重大事故を検証するには、炉心の状態を示すデータの評価が不可欠。特に、炉心の中の水の流れを示す『炉心流量データ』は重要」>だが、それを東電はひた隠しにしてきた。それが、思わぬところから出てきたというのである。

   <「当時の廣瀬直己社長(現副会長)が汚染水問題への対応で記者会見に出るようになり、記者から未開示データがあるのでは? という指摘に『すべてのデータを開示する』と答えると、あっさりと炉心流量データを出してきたんです」>。そのデータを見て木村は驚いたという。

   <「データを基に事故後の1号機のプラント挙動解析評価をしたところ、地震発生までは炉心の中に毎時1万8000tもの冷却水が流れていたのに、1分30秒後にはその流量がゼロになっていたんです。炉心には冷却水を送り出すためのジェットポンプが20台も設置されているんですが、その20台すべてがゼロ付近の値を示していました」>

   やはり、津波ではなく地震による事故なのか? 木村は慎重に言葉を選んで、明言していない。<「あくまで地震の後の1分30秒後にドライアウトが起きていた可能性が高いと言っています。それも、1号機の原子炉格納容器などを詳細に検証できない以上、まだ確言はできません」>

   私は、地震で原発事故が起きたと考えるのが自然だろうと思う。どちらにしても、いまだに原因がわからないのに、再稼働するなど正気の沙汰ではない。

   進次郎に話を戻そう。進次郎の他の発言、イクメン、夫婦別姓などは、一時の思い付き以外の何ものでもないのであろう。人気先行型で、地に着いた考え方や強い実行力が、これから試されることになる。失敗すれば安倍首相が喜ぶだけだ。

二階が菅について面白くなりそうな自民党抗争!安倍と激しい権力争奪戦

   週刊文春が「在庫新大臣たちがヤバすぎる」という特集をやっている。イニシャルTが危ないそうだ。一人目は国家公安委員長兼防災相の武田良太衆院議員(51)。彼は福岡県出身だが、ここは指定暴力団「工藤会」が強いところだ。1996年の衆院選では、武田を応援していた右翼団体幹部が、選挙区内の飲食店の店長を、「武田良太に入れんと、店の営業ができんごとするぞ」などと脅し、公選法違反で逮捕、略式起訴、罰金に科せられているという。そういう曰く付きの人間が公安委員長とは。

   次は田中和穂復興大臣(70)。16年の改造でも入閣が取り沙汰されたが、指定暴力団が取締役を務める会社にパーティー券を販売していたことが報じられた。川崎のソープランドを仕切る稲川会系の組長とも親しいという。

   3番目は竹本直一IT担当相(78)。昨年(2018年)、自身の「新春賀詞交歓会」に山口組元幹部が出席していて、岸田政調会長とのツーショットがフライデーに掲載された。みんな危なそうだな。

   週刊新潮というのは、言葉作りの天才集団である。昨年の「嘘つきは安倍の始まり」も秀逸だったが、今回、ポスト安倍の争いをこう呼んだ。「菅進太郎VS.岸倍敏信」。永田町で密かに命名されているというが、週刊新潮の造語だと思う。菅官房長官と進次郎、河野太郎と、岸田、安倍、茂木敏充外相、加藤信勝厚労相の対立が、これから苛烈を極めてくるそうだ。

   現役の首相がいる方が優勢かというとそうではないようだ。菅に頼もしい援軍がいるという。二階俊博幹事長である。9月14日付の朝日新聞はこう伝えた。<「代えられるものなら代えてみろ。党内ががたがたするぞ」。二階派幹部は人目もはばからずに、周囲にそう言い放った。「閣僚は取りにいかない。狙うは幹事長のイスのみ」。別の幹部は首相周辺にこう伝え、幹事長ポストへのこだわりを強調した>

   「俺を野に放つとどうなるか」、そう二階は安倍首相を脅したというのである。その二階が菅に付いたというのだ。それに対して、安倍も二階封じの手を打ったと、サンデー毎日で鈴木哲夫がこういっている。

   <「党三役には禅譲を狙って安倍首相への忠誠心が強い岸田氏を政調会長、総務会長は首相の盟友の麻生太郎副総理の麻生派から鈴木俊一氏を起用した。また首相最側近の下村博文選対委員長、稲田朋美幹事長代行と、完全に二階包囲網を敷いた。二階氏のもとで幹事長特別補佐として力業を見せていた武田良太氏を入閣させ、二階氏が腕をふるう党務から引き離した。二階氏の勝手にはさせないという布陣だ」(安倍首相側近幹部)>

   久しぶりに自民党内で権力闘争の火ぶたが切られるかもしれない。

最強のキャッシュレス決済はSUICA!使い勝手いいしセキュリティー抜群・・・JRはもっとPRしたら

   10月1日から消費税が10%になるため、テレビのワイドショーでは連日、どうしたら得するのかを微に入り細を穿つように、図入りで解説している。だが、ジ~ッと見ていてもわかりにくい。かといって、いまさらペイペイなどは使いたくない。それに今週の週刊新潮でもやっているが、「キャッシュレス決済を導入すると資金繰りが苦しくなります。仕入れは現金なのに、販売はキャッシュレスのため、入金まで2週間は待たないといけない。その分、手元に多くの現金を残す必要があります。さらに、クレジットカード払いだと3%の手数料が店舗に発生し、ウチのように1~2%の利益幅の小売業では経営が破たんしかねません」(アキダイの秋葉弘道社長)

   こんなくだらないことを始めてどうするんだと、腹が立つが、文藝春秋10月号で成毛眞が「SUICAが最強のキャッシュレス決済だ」と書いている。私もこの考えに賛同する。このシステムはソニーが20年も前に開発した技術なのに、日本と香港などでしか使われていないという。

   軽くタッチするだけで読み取りができ、セキュリティにも優れている。2万円までしかチャージできないが、オートチャージにすれば、そういう面倒もなくなる。成毛は、この読み取り機は原価500円ぐらいだから、端末を200万台配ったとしても10億円ぐらいでできるという。

   私も、なぜJRはこれを普及させないのか、理由がわからない。JRが発行している電子マネーは、合わせると9000万枚を超えるという。SUICAがあれば、大量の現金を持ち歩かなくても、移動、駅中の食堂ではほとんど使える。キャッシュカードのようにスキミングを怖れることもない。ポイントも付く。JRはなぜ大キャンペーンをやらないのだろう。何か財務省に都合の悪いことがあるのではないか。そう疑いたくなるのだが。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。