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大河いだてん「前畑頑張れ!」の神回に感動の渦 もう面白ければ視聴率なんてくそくらえ!の声殺到

   「前畑頑張れ!」「前畑頑張れ!」。絶叫する河西三省アナ(トータス松本)――。NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」が22日(2019年9月)放送され、日本オリンピック史上に残るベルリン五輪での水泳女子、前畑秀子(上白石萌歌)の金メダルシーンのクライマックスを迎えた。

   平均視聴率も7・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、5~6%台に低迷している中、久々の7%台を記録。「感動した」「やっぱり面白い」と、インターネット上では感動の声が殺到した。もはや「たけしの落語がうざい」という文句の声は聞かれなくなった。コアなファンだけが残って楽しむ「いだてん」になったようだ。

「結果は知っているのに金メダルとって泣けた!」

   こんな声が相次いでいる。

   「東京市長になじられ(バカにされ?)、引退を撤回、毎日約20キロ泳いで練習しだとは!(私の最高は3・6キロ、25mプール72往復)信じられん、恐るべき執念。勝つんだ、勝つんだ、勝つんだ...という心の叫びに思わず涙が。結果は分かっているのに、なぜか応援してしまうんだよね」

   「日本中の人々がラジオにかじりつき、みんなで前畑秀子を応援する、そんな時代だったんだと感慨深かった。結果は知っているのに、金メダルをとれてよかった。感動した。まーちゃんがプールにドボンなんて、ホントはそんな事なかっただろうけど、それくらい熱い、夢みたいな騒ぎになったんだろうな」

   「今回は格別に見応えがありました。日本中が心を一つにした『前畑頑張れ!』のキラキラした高揚感と、ベルリン大会がナチスの宣伝のオリンピックであることからくる暗さと不気味さの対比が、実によく出ていた。通訳のユダヤ人青年のその後を思うと胸が痛みました。後半になって色々考えさせられることの多いドラマになっている。この調子で泳ぎ切って欲しい!」

   「アレをナニした件、ダンケシェーン!こういうところがクドカンだなーって思う。ヒトラーを目の前に、ああいう言い方が出来るものだろうか?ヒトラーの怖さと、東京五輪招致にヒトラーが関与していた事を田端がどう考えていたかを示すシーンだった。あのセリフだと田端は何も考えられない人物だったと言う事になる」

   「ゲネンゲルさんが背負っていたものも相当大きかっただろう。自国開催で前大会の優勝者。決勝のゴールの後、前畑に『また一緒に泳ぎましょうね』と言う場面がよかった。全くの創作か、本当の話か分からないけど、五輪が様々なことに翻弄される中、選手同士のそういう気持ちは本当に生まれたんじゃないか」

「司馬遼太郎が上で、くどかんが下ということはない」

   そして、「いだてん」へのこんなエールも――。

   「いだてんは、本当におもしろい。毎週楽しみです。 録画して、何度も見て、そのたびに涙が出ます。視聴率なんてくそくらえ! よい作品を、しっかりと作っていってください」

   「大河を見始めて40年以上になるが、『いだてん』はまったく久々に楽しんで見られる作品だ。大河ドラマって、要するに、どう歴史を切り取るかという方法が問題だ。よく大河の原作になった司馬遼太郎だが、彼が描いた男たちはいずれもほれぼれするほどカッコいい。だけど、『自分の書くものは小説にすぎない』と言っていた司馬の言葉をよくよく考えるべきだ。あくまでも小説だから、いくらでもカッコよく描けたのだということだ。『いだてん』を見て、史実どおりだと考える視聴者はひとりもいないだろう。あくまでもクドカンが切り取ってきた歴史にすぎない。司馬が上で、クドカンが下だということはない。問題は、エンターテイメントとして切り取られた歴史に触発されて、自分なりに歴史というヤツを考えようとするかどうか、そうさせる力が作品にあるかどうかだ。私にとっては、司馬も『いだてん』も十分に面白い」(テレビウォッチ編集部)