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<スカーレット>(第6話・10月5日土曜放送)
大野信作に恋心を抱く照子・・・待ち合せの墓地に付き合った喜美子はそこで意外な秘密を知る

   喜美子(川島夕空)たちが信楽に越してきてから初めての冬、貧乏な一家にも電気と水道が来て、風呂もできた。風呂は父の常治(北村一輝)が仕事の合間を縫って作ったものだ。

   薪を焚いて風呂を沸かし、家族が風呂に入る間、湯が冷めないように調整するのが喜美子の仕事になった。冷たすぎたり熱すぎたりで、常治から怒られてばかりだったが、だんだんと火加減がわかるようになっていった。喜美子が最初に火に魅せられたのは、このころだった。

   ある日、喜美子は窯元の娘、熊谷照子(横溝菜帆)に、村のはずれの墓地まで一緒に来てほしいと頼まれる。照子はずっと同級生の大野信作(中村謙心)に恋心を抱いており、ちょっと前にラブレターを渡していたのだが、その手紙で待ち合わせたのが墓場だと言う。

   「あそこはね、人目を凌げる場所なんよ。しらんの? 若い男と女が逢ういうたら、そういう場所なんよ」という照子に、「うちら小学生やで」と喜美子は返すが、照子は「恋に年齢は関係ないさかい」とマセていた。

   少し遅れて墓場に信作が現れるが、照子は恥ずかしがって寺の柱の陰に隠れてしまう。信作はそこにいたのが喜美子でほっとしたようで、「ほんま、しんどいねん、もうやめてほしいと言うてくれないか」と言うと、走り去ってしまう。

   いつの間にか喜美子の横に戻っていた照子は、「まあ、うすうすはわかっていたわ。窯元の娘と雑貨屋の息子じゃ身分が違いすぎるし」とため息を吐いた。

   「きょうはお兄ちゃんの誕生日やねん」と照子の突然言った。「挨拶してってえな。ここにうちのお兄ちゃんが眠ってはる。お骨はないけどな、学徒ナントカっていうので戦争に行って、帰って来いへんかった」

   喜美子は、照子を苦労知らずのお嬢さんだと思っていた自分が情けなくなった。

父がいないときに正体不明の怖そうな男がやってきた

   家に帰ると、玄関に見慣れない男ものの靴があった。父の靴はなく、母のマツ(富田靖子)の様子もおかしい。おどおどした様子で、「風呂を焚いてくれ」と頼んでくるのだ。

   ひょこっと顔を出した見知らぬ男は、「こりゃこりゃ、お嬢ちゃんかいな。お父さん帰って来るまで、いさせてもらいますぅ」とニヤニヤしている。「おい、大阪からわざわざさぶいとこを、こんな山奥まで来たんやで。体あっためんとなあ」と、突然怒鳴り出した男に、喜美子は震えた。(NHK総合あさ8時)