「豚コレラ」が猛威をふるっている。感染力が強く、豚やイノシシが死んでしまう病気だ。2018年に岐阜県で感染が確認されてから、愛知、三重、福井、長野へと広がり、9月(2019年)には埼玉でも確認された。これまでに約14万頭が殺処分されていて、農林水産省はワクチンの接種を決めた。
街で聞くと、「いま豚肉を食べても大丈夫なの?」「健康被害はないの?」という声が多く上がった。森田洋平アナが「そんな豚コレラについて、みなさんの疑問を専門家に聞いてきました」と取り上げた。
農研機構の獣医学博士・山川睦さんは「豚を出荷する時には、健康な豚を食肉処理場に持って行っています。問題のない肉だけが市場に出るので、健康被害は起こり得ないシステムになっています」と解説する。
国産の豚肉は、養豚場から出荷されると食肉検査所で検査を受ける。検査所では獣医師の資格を持つ検査員が、1頭ずつすべての豚の血液や内臓などを検査する。異常が見つかった豚は隔離され、流通はしない。検査を経て安全だと確認された豚肉だけが消費者のもとに届くのだ。
山川さん「人に豚コレラウイルスが感染することはありません」
犬や猫にもうつらない。
「じゃあ、なんで殺処分するの?」という疑問が出たが、感染した豚を殺処分せずに流通させてしまうと、豚を運ぶトラックなどを介してウイルスが次々と広まり、豚コレラの感染に歯止めがかからなくなってしまうのだ。
豚や養豚農家にはたいへんな事態だが、とんかつや豚しゃぶは安心してお食べくださいということだった。