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「見捨てられた被災地」からとくダネに届いたSOS 欲しいのは希望が持てる情報だ

   10月12~13日(2019年)に東日本を直撃した台風19号。15日朝現在、11の県で61人の死者が出ているほか、行方不明者13人、けが人224人が確認されている。停電は12都県で4万7580件以上、断水が13都県で13万8680件以上と被災地は広範囲にわたっている。このため、大きな被害を受けているにもかかわらず報道陣が入っていない地域も多い。そこで番組では全国各地の「知られざる被災地」で取材を行った。

   東京都の西に位置する観光地、高尾山では、上流から来た大木が川をせき止め溢れ出て住宅が浸水、押入れにあった金庫が裏の公園にまで流れ出るほどの被害が出た。山の中腹でも崖崩れが起き、登山道が通行止めになっている。

   同じく東京都の西、奥多摩町では集落に向かう唯一の道路が崩落し、約100人が孤立している。宮城県丸森町では泥に埋まる住宅の前に木を並べて描かれた「水、食料」というSOSメッセージが。

   福島県いわき市に住む高野文弥さん(26)からは「とくダネさん、大切な仲間が困っています。どうか、報道と支援の呼び掛けをお願いします」というSOSツイートが届いた。13日午前1時頃に高野さんが撮影した動画には、胸の高さまで水につかりながら避難する高野さん自身の姿が映っている。高野さん宅は天井まで浸水。近くの避難所に避難したが断水のため閉鎖され、今はおじの家に身を寄せている。

最優先の人命救助がひと区切りついた後は、ライフライン復旧

   番組は高野さんに中継で取材した。

   高野さん「この状況を知っていただくことが第一。役所も『検討しています』とか話だけで、目に見えるものがなにもない。住民たちには先の見えない不安がある。『復旧のメドが立っていません』ではなく、希望を持てるような先の見える情報が欲しい」

   清水敏男いわき市長「これまでは人命救助が最優先だったが、ひと区切りついた。避難所では、食料などが提供されているが、問題は断水。浄水場が被害を受け、4万5千戸で断水している。給水活動に尽力している」

    キャスターのカズレーザー「ハザードマップなど、ここに逃げたほうがいいという知識はお持ちでしたか」

   高野さん「何も持っていませんでした」

   小倉智昭キャスター「氾濫した川は普段はほとんど水量がない川ですよね。それが荒れ狂うということは考えたことありました?」

   高野さん「まさかここまでとは誰も予想しなかった。これから住む場所の情報が欲しい。必要なものは水。ライフラインの復旧がいつか知りたい」

   三浦瑠麗(国際政治学者)「自衛隊の車両が入ったら給水活動は進むが、住民は水が手に入ったら、次は仮設住宅などがどうなるのか知りたい。1か月、3か月と、これから何が行われていくのかという情報が必要」

文・みっちゃん