2024年 4月 19日 (金)

<令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear/巻の参「因縁」>(NHK・BSプレミアム)
泣ける怪談!おなじみの古典ホラーを鮮烈映像と音楽で美しくて恐ろしくいドラマ化

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   「四谷怪談」「番町皿屋敷」ともに三大怪談の1つ「牡丹燈籠」を、美しい映像と音楽でドラマ化した。原作は、江戸末期から明治にかけて活躍した落語家・初代三遊亭圓朝の25歳のときの大作落語だ。

   色と欲にまみれた2つの物語が絡まり合って進行する。1つは、病気で妻を失った旗本、御書院番組頭・飯島平左衛門(髙嶋政宏)に取り入り、さらには平左衛門を殺してお家乗っ取りを図る奥方付き女中・お国(尾野真千子)と、隣家の旗本、宮辺家の次男・源次郎(柄本佑)の不義密通の物語。

   もう一つがメインで、平左衛門の可憐な娘・お露(上白石萌音)と美男の浪人・萩原新三郎(中村七之助)の悲恋と妄執の物語だ。旗本の娘と浪人という身分違いから新三郎と別れさせられたお露は、「来てくださらなければ、死んでしまうやもしれませぬ」の言葉通り、焦がれ死にしてしまった。お露の侍女・お米(戸田菜穂)も後を追うように死んだ。

   だが、ある夜、死んだはずのお露がカランコロンと下駄の音とともに新三郎の家を訪ねてきた。お米が掲げる牡丹の絵が描かれた燈籠の明かりを頼りに。それ以来、お露と新三郎は夜ごと愛し合うようになった。

鬼気迫る上白石萌音の中村七之助との濡れ場

   今週の放送は全4話のうちの第3話。物語はいよいよ佳境に入る。

   新三郎の目には以前と同じように可憐なままのお露だったが、新三郎の下男、伴蔵(段田安則)が見たお露の真の姿は、世にも恐ろしい化け物だった。日ごとに衰弱していく新三郎は、「死相が現れておる。このままでは取り殺されてしまうぞ」という高僧の忠言を受け、家中の入り口に魔除けの護符を張る。

   その夜、訪ねてきたお露は新三郎に会うことができず、突然バンパイアに変身し、恐ろしい獣のような声で「誰がこのような物を貼った 許さぬぞ」と怒り狂う。

   お米は伴蔵夫婦に百両という大金を渡す約束をし、護符をはがしてほしいと頼む。護符ははがされ、お露は新三郎に会うことができた。そして、新三郎の首に吸血の牙を立てる。

   一方、お国は飯島家を源次郎が相続するという遺言状を捏造し、源次郎に平左衛門を殺させる。その悪だくみは飯島家で剣の修行をしている若い武士・黒川孝介(若葉竜也)に知られ、お国と源次郎は江戸を出奔する。

   副題に「美と恐怖」とあるように、吸血幽霊となったお露と、幽霊と知りつつお露を受け入れた新三郎が愛し合うシーンは、美しくも鬼気迫るものがある。お露の登場シーンに流れる阿部海太郎のピアノ曲も美しい。怪談なのに、なぜか泣けます。(2019年10月20日よる10時放送)

    寒山

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