2024年 4月 23日 (火)

一般病院にも広がる患者の身体拘束!看護師が体験したら・・・「これは厳しい。涙が出てきます」

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「拘束ゼロ」を実現した群馬・内田病院―医師も含めた全員で取り組み

   武田は「身体拘束が行われることで、さまざまな弊害も起きているということも、私たちは(先月の放送で)お伝えしました」

   身体拘束ゼロを実現している大誠会グループ内田病院(群馬県沼田市)の田中志子・理事長兼医師はこう語った。「私たちの病院も、はじめから拘束がなかったわけではありません。夜間、看護師が多忙の時は、サポートするケアの人を置いて看ています。患者が日中に活動し、落ち着いて夜に休めるように、医師を含むすべての職種で工夫しBPSD(攻撃的な行動や不安など認知症の症状)やせん妄(一時的な意識レベルの低下)を起こさないように、穏やかな夜を積み重ねていくということですかね」

   内田病院で患者を看ている小池京子看護師は「なぜ拘束ゼロを目指してやってきたか、患者さんが教えてくれたんです。縛りを解いていて目があった時、患者さんから『ありがとう』と言われました。そこが私たちのスタートで、それが楽しかった。私たちの喜びでそれが続いています」

   内田病院が拘束ゼロを続けるための院内研修を、前出のさとう看護師が視察し、実際に身体拘束の苦痛を体験した。ベッドに仰向けに寝かされ、両手、両足をひもで縛られた。仰向けになったままで寝返りも打てない。「これは厳しいですね。これをやっているんだと思うと、悲しくなります。涙が出てくる。体験して180度変わりました。早くみんなに伝えたいです」

   しかし、内田病院の小池看護師はこんな指摘をする。「病院のトップ、看護師のトップが、これだったら(拘束を)なくせるという覚悟で取り組む声を出してくれないと、看護師がやってみませんかと言っても、『ムリでしょ』と言われると思います」

   病院全体、日本の医療機関全体の問題なのだ。政府が率先して、拘束ゼロに向けたコンセンサス作りをすすめる必要がある。

   *NHKクローズアップ現代+(2019年10月16日放送「徹底討論!それでも必要?一般病院の"身体拘束"」)

文   モンブラン
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