2019年 12月 15日 (日)

一般病院にも広がる患者の身体拘束!看護師が体験したら・・・「これは厳しい。涙が出てきます」

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    身体拘束が一般病院の入院患者にまで広がり、「クローズアップ現代+」は先月11日(2019年9月)の放送で、その実態と削減への取り組みを伝えたところ、「理想論。現場の厳しさが分かっていない」と250件に及ぶ意見が寄せられた。「身体拘束は減らせるとは現実が見えていない。1人で40人を看る状況では難しい」(女性看護師)、「誰もがインシデント(事故)を起こしたくない。拘束を解除して事故が起きたら後悔する。だからできないんだよ!」(愛知の公立病院勤務の40代女性看護師)というのだ。

   そこで、現役の看護師や拘束ゼロを実現した病院幹部らが討論した。

   厚生労働省が作った手引きによると、身体拘束は、命が危険にさらされる可能性が著しく高い「切迫性」、他に代わる方法がない「非代替性」、一時的なものである「一時性」の3つの要件をすべて揃った場合に限られている。

   実際は、一般病院に入院している認知症患者の半数近く、さらに認知症以外でも少なくなく、心身にダメージを受けるケースもある。

夜間1人で40~45人を受け持ち。多重業務で「縛らざるを得ない」現実

   スタジオでは、慢性期病院の看護師のささきさん(仮名)は「多重業務といいまして、ほかの業務やほかの重症な患者さんをみながら、危険のある患者さんを集中してみるということは難しいので、やはり身体拘束という手段を使わざるを得ないことが多いです」と話した。

   二次救急指定病院の看護師のさとうさん(仮名)「ひと晩で2人体制で、多いときは40人から45人くらいを持ちますね。1人が仮眠に入ってる時間は、フロアに1人です。救急外来の対応もします」

   武田真一キャスター「その間に入院患者さんに何かあったらどうなるんですか」

   さとうさん「ないように、縛ってるんですよね、結局は。お薬使って眠ってもらっているとか。そうじゃないと救急外来に対応ができないし・・・」

   准看護師・学生のまみさん(仮名)「点滴中のチューブを自己抜去してしまうなど、防ぎようがない場合もあります」

「拘束ゼロ」を実現した群馬・内田病院―医師も含めた全員で取り組み

   武田は「身体拘束が行われることで、さまざまな弊害も起きているということも、私たちは(先月の放送で)お伝えしました」

   身体拘束ゼロを実現している大誠会グループ内田病院(群馬県沼田市)の田中志子・理事長兼医師はこう語った。「私たちの病院も、はじめから拘束がなかったわけではありません。夜間、看護師が多忙の時は、サポートするケアの人を置いて看ています。患者が日中に活動し、落ち着いて夜に休めるように、医師を含むすべての職種で工夫しBPSD(攻撃的な行動や不安など認知症の症状)やせん妄(一時的な意識レベルの低下)を起こさないように、穏やかな夜を積み重ねていくということですかね」

   内田病院で患者を看ている小池京子看護師は「なぜ拘束ゼロを目指してやってきたか、患者さんが教えてくれたんです。縛りを解いていて目があった時、患者さんから『ありがとう』と言われました。そこが私たちのスタートで、それが楽しかった。私たちの喜びでそれが続いています」

   内田病院が拘束ゼロを続けるための院内研修を、前出のさとう看護師が視察し、実際に身体拘束の苦痛を体験した。ベッドに仰向けに寝かされ、両手、両足をひもで縛られた。仰向けになったままで寝返りも打てない。「これは厳しいですね。これをやっているんだと思うと、悲しくなります。涙が出てくる。体験して180度変わりました。早くみんなに伝えたいです」

   しかし、内田病院の小池看護師はこんな指摘をする。「病院のトップ、看護師のトップが、これだったら(拘束を)なくせるという覚悟で取り組む声を出してくれないと、看護師がやってみませんかと言っても、『ムリでしょ』と言われると思います」

   病院全体、日本の医療機関全体の問題なのだ。政府が率先して、拘束ゼロに向けたコンセンサス作りをすすめる必要がある。

   *NHKクローズアップ現代+(2019年10月16日放送「徹底討論!それでも必要?一般病院の"身体拘束"」)

文   モンブラン
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