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週刊新潮「東須磨小の加害教師4人」実名報道!兵庫県警は暴行で捜査開始

   今週の週刊新潮は内容が充実している。後輩の教師への残酷なイジメで注目を集めている東須磨小学校の加害教師4人組についての特集で、4人の実名を公表したのである。その理由を週刊新潮はこう書いている。<教員免許は一度失効しても、大学の教職課程で取得した単位は有効なので、失効期間がすぎてから更新講習を受け、書類申請すれば、新たに取得することが可能です」(文部科学省人材政策課)>懲戒免職されると自治体の教育委員会によって剥奪されるが、3年経つと再取得できるのだ。

   教員免許が失効すると官報に記載されるが、3年以上前の情報は記載されない。したがって、たとえ懲戒免職になっても、3年経てば再び教壇に立つ道が開け、自治体は彼らの過去を知らずに採用してしまうから、<更生も不十分な虐待教師に、わが子、あるいはわが孫が、いつか気づかぬうちに導かれる可能性>(週刊新潮)があるからだというのである。

   ただし、禁固刑以上の罰を受けると、失効期間は刑期プラス10年、罰金刑だと5年だが、今回の加害教師たちが長い禁固刑に処せられる可能性は低いようだ。

   加害教師たちは全員30代以上で、主犯の女性教師は40代だから、実名公表への批判はそれほど起きない気がする。それに、以下のようなイジメを超えた虐待ともいえる彼らのやり方を知ると、匿名性を守る必要は私も感じないが、あえてここでは実名は書かない。

   <「昨年の運動会後の飲み会では、ビール瓶を口に突っ込まれて飲まされ、飲み終えると瓶で頭を叩かれたとのこと。酒を無理に飲まされ、"もう無理です"と断ると"雑魚いな"といわれて平手打ち。辛いものが苦手なのに激辛ラーメンを強引に食べさせられたときは、"もう無理です""許してください"と懇願しても、"はっ? 無理やし、全部飲め"。さらには"唐辛子の身を全部食べろ"と。関口先生(被害を受けた教師・仮名=筆者注)がトイレに駆け込んで嘔吐し、痙攣や痺れで苦しんでいる間、ほかの先生も一緒に大笑いしていたとか」(被害者の関係者)>

   週刊文春によれば、40代の女性教師は、イジメた若い教師に恋愛感情の様なものを抱いていたようだが、ある時、若い教師から、交際している女性がいると打ち明けられて、可愛さあまって憎さ百倍、となったそうである。

   イジメを受けていた教師は、10月11日(2019年)、須磨署に被害届を提出して、受理されている。さらに兵庫県警担当記者は、県警捜査一課が須磨署と合同で捜査を開始したそうで、容疑はいくつもあるし、激辛カレーを食べさせた件では、動画という証拠があるから、暴行に問えるだろうと見ている。

即位パレード中止で菅官房長官を押し切った宮内庁―美智子上皇后の意向で流れ変わった

   10月22日、内外からおよそ2000人の参列者を招いて行われた「即位礼正殿の儀」は、つつがなく執り行われた。天皇陛下は、29年前の上皇と同じように、「日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」と「お言葉」を述べた。

   この日は、15時半から「祝賀御列の儀」というパレードが催されるはずだったが、先の台風19号のもたらした被害を考慮して、延期になった。この延期は、週刊新潮によれば、<30日に85歳のお誕生日を迎える美智子上皇后の意向が強く反映されている>というのである。

   菅官房長官を含めた官邸は、「祝賀パレードは淡々と進めていきたい」と、強行する姿勢だったが、15日に西村泰彦宮内庁次長が、天皇皇后両陛下が被災されている多くの方々について心を痛めていると述べ、美智子上皇后も自身の誕生日の祝賀行事をすべて中止すると発表したことで、流れが変わったという。

   天皇陛下から「どのような形でパレードが進められるのか、検討してみてください」という意向が侍従に伝えられ、宮内庁と官邸が協議した結果、中止となったそうである。

   宮内庁の動きは早く、15日夕刻の時点で、「パレードは11月10日に延期」と伝えられていたという。菅官房長官は「宮内庁と相談し、あくまで内閣として判断した」といったが、実際は宮内庁に押し切られた格好である。

   以前から、宮内庁と安倍官邸の間には「すきま風」が吹いていた。上皇の生前退位を巡って、脇に追いやられた官邸は、意趣返しに当時の宮内庁長官を更迭するという挙に出た。祝賀パレードは国事行為である「即位の礼」の一部だから、憲法上は「内閣の助言と承認を必要」とするが、今回も、両陛下、ひいては美智子上皇后の強いご意見があり、<「その通りに進めるほかありませんでした」(全国紙デスク)>

   週刊新潮は、こうした事態が続けば、御代替わりを迎えた意義が薄れ、上皇と上皇后、天皇と皇后という「二重権威」が鎌首をもたげるような事態になるのではと心配する。

   私などは、いいではないかと思う。天皇陛下といえども、上皇と上皇后から見れば、まだ若い自分の息子である。「こういうときはこうされたがよくてよ」と助言を与えるのは、どこの親でもやることだ。目くじらを立てることはあるまい。

   週刊文春では、「即位礼正殿の儀」を、天皇が平成流から令和流に変えたと報じている。平成の「即位礼正殿の儀」では、天皇皇后が「松の間」から出発して、「梅の間」の側面、正面の回廊を経て「松の間」に入場、先に並んでいる皇族方の間を通って高御座の後に回り、階段を上って帳の中に入ったという。

   これは、参列者たちがどこにいても両陛下の姿を肉眼で見ることができるようにという、これまでとは違うやり方をしたというのである。当時、それに対して反対の声もあったというが、今回は元に戻したそうだ。それに、会場には精度の増したモニターが多く取り付けられて、儀式の様子はとてもクリアに見えたそうである。

   週刊文春は<伝統を大切にしつつも時代に即した変化も辞さない"令和流">だと結んでいるが、時代にあったように工夫するのは皇室といえども当然だろう。

東京五輪「マラソン・競歩」札幌開催の裏で仕掛けられてるカジノ北海道誘致

   IOC(国際オリンピック委員会)は、カタールのドーハで行われた陸上の世界選手権で、女子マラソンの出場68選手中28人が暑さと湿気で棄権したことを見て、突然、東京オリンピックのマラソンと競歩を札幌でやると発表した。これに小池百合子都知事は怒り、「北方領土でやったらどうか」という支離滅裂な暴言を吐いて、笑い者になった。

   誰が考えても、真夏の東京でマラソンをやるなど正気の沙汰ではない。だが、ここまで来て突然の変更には、どんな裏があるのか、週刊新潮が興味深い記事を掲載している。

   札幌に会場を変えたとしても、さまざまな問題は残る。スタートする会場をどこにするのか、選手たちの宿舎、観客たちのホテルはどうするのか。北海道は観光シーズン真っ盛りである。いくつかの祭りやスポーツも予定されている。それを押しのけて、やれるのだろうか。

   来週30日から11月1日に行われるIOC調整委員会で、大会組織委員会や東京都などと協議したうえで「正式決定」になるが、小池都知事の逆襲はあるのだろうか。なにしろ、東京都は道路の反射熱を抑える舗装工事にすでに約300億円もかけたから、それが無駄になってしまう。簡単に小池が引っ込むとは思えない。それに、組織委の森喜朗とは犬猿の仲だ。

   小池には分が悪いと、週刊新潮は見ているようだ。その裏に、カジノ利権が見え隠れするというのである。いまカジノの有力候補地は、大阪、菅官房長官の地元の横浜だが、小池はカジノ誘致には熱心ではない。そこで、菅と結びつきの深い鈴木直道・北海道知事、橋本聖子五輪相などが、マラソン札幌開催をテコに、北海道(苫小牧市という名が挙がっているようだ)へカジノを誘致しようと蠢いているというのだ。そうなれば、カジノのうち2つが菅案件となり、がっぽり利権が入って来るというわけだ。そんな汚れた思惑で、札幌マラソンを実現してほしくはないが、IOCの突然の心変わりは、暑さだけではなく、何かもう一つ裏がありそうな気はする。

菅原一秀経産相の「違法香典」動かぬ証拠!週刊文春が現場をスクープ撮

   菅官房長官の側近中の側近、菅原一秀経済産業相の「有権者買収」疑惑は、ついに週刊文春が、公設秘書が菅原の地元の支援者の葬儀で、菅原の代理として「香典袋」を出しているところを写真に収めた。10月17日の夕方6時過ぎ。中には2万円入っていたという。

   今国会で焦点になっている菅原の政治資金規制法違反だが、自民党は菅原を出したくなくて、開催拒否をしている。動かぬ証拠の前には、どんな詭弁を弄しても、逃げ切るのは難しいだろう。

   菅原は有権者を3ランクに分けているという。香典は最高ランクが2万円。その際は、亡くなった有権者の家に「枕花」を届けるそうだ。お祝いには胡蝶蘭。年号が令和に代わった時は、「平成」「令和」と印字されたリンゴを贈ったという。

   <「秘書が香典を代理で持参した場合、選挙の有無にかかわらず、公職選挙法に定められた『寄付の禁止』に抵触する可能性がある」(神戸学院大学法学部・上脇博之教授)>

   「供花や枕花は本人が葬儀に参列するかどうかは関係なく、公選法で禁止されています。(中略)公選法は、票をお金で買うことを禁止しているのです」(同)>

   こんなイロハのイがわからない代議士が重要閣僚にいるなんて、この国はどうなっているのか。

   行政府の長である安倍晋三首相が、国会答弁で「私は立法府の長」といってしまうのだから、下は上を見て育つ。まあ仕方ないか。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。