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運動会は半日、家庭訪問も通知表もない学校が増えている!先生の残業を減らすというものの・・・

   山田大樹アナが「実は今、運動会が短くなっている学校がたくさんあるんです。学校の当たり前が変わってきているんですよ」と取り上げた。愛知・名古屋市では、市の3分の2の小学校が運動会を半日に短縮したという。

   さらに、一部の学校では家庭訪問もやめ、通知表をなくしたり、時間外の電話対応はしない学校も増えているという。背景にあるのは「先生たちの働き方改革」だ。国の調査では、過労死ラインの月80時間を超えて残業している教員は、小学校で約3割、中学校では約6割にのぼったという。

夕方5時と6時にチャイムで退勤呼び掛ける小学校

   名古屋市の矢田小学校は2019年度から働き方改革を本格化した。夕方5時と6時にチャイムを鳴らし、教員に帰宅時間を意識させるほか、月に1度は必ず定時に退勤させるなど、勤務時間の短縮に取り組んでいる。

   教頭の中村浩二さんは「勤務の中で余裕や余白が生まれると、教材研究に時間を費やすことができ、気持ちに余裕を持ちながら児童と関わる時間が増えます。回り回って子どもたちのよりよい成長につながってくると思います」と語る。

   こうした改革は全国で進んでいるが、保護者の心境は複雑らしい。街で聞いてみると、「子どもは勉強だけしとけばいい、という感じになっていくようだとかわいそう」「運動会は1日やって楽しかった思い出があるので、そういうのが少なくなっていくのは残念」という。

「子どものため」と頑張り過ぎてしまう先生たち

   教師の「子供のために」という思いが、働き方改革に待ったをかけるケースもある。矢田小学校で5年生を担当する中川大輔さんは、授業以外に野球部の引率やプールの管理などを任されている。2か月連続で残業が80時間を超えているが、「子供のため」と思うと、仕事を抱えてしまうという。「子どもにこういう授業をしたいとか、あすまでにこういう準備をしたいという気持ちと、時間の折り合いを付けるのは難しいですね。長く働いてでも、いい授業をしたいというのがあります」

   保護者から「子どものために頑張れ」というプレッシャーをかけられる場合もある。名古屋大学の内田良准教授は、「『子どものために』はマジックワードなんです。これがあると先生は頑張りすぎてしまう」という。

   近江友里恵キャスター「中学校の文化祭の前に、先生が全員にメッセージを書いた折り紙を折ってくれたり、夏休みに日記を書く宿題があって、それを先生が全員分読んで、みんなに1日ずつコメントを書いてくれて、すごくうれしかたんですけど、いま思うと、先生の仕事量が心配だなと」