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首里城は焼失したが白川郷は無事だった!世界遺産の合掌造りを火災から守った住民の防災意識

   4日(2019年 11月)午後2時40分頃、連休の観光客でにぎわう岐阜県白川郷の駐車場の茅葺き小屋で火災が発生した。火の手はわずか2分ほどで周囲の樹木と同じ高さとなり、黒い煙があがった。火災は1時間45分後に鎮火したが、物置と電気設備が置かれていた2軒の小屋が全焼した。

   現場から庄川をはさんだ対岸には、1995年に世界遺産に登録された合掌造りの集落がある。10月31日の沖縄・首里城に続く世界遺産の火災に現場は騒然となったが、白川郷では合掌造りの家は無事でけが人もなかった。白川郷を火災から守ったのは59基の放水銃と住民の素早い対応だった。

消防隊より早く住民が放水銃を稼働させていた

   合掌造りの茅葺き屋根は火災に弱い。対岸の火事でも、上昇気流で飛んだ火の粉で、集落全体が消失する可能性もある。こうした事態を防ぐため、白川郷には360度回転する放水銃が設置され、延焼を防ぐ「水のカーテン」を作ることができるようになっている。

   操作は簡単で、バルブを開けることで、最大30メートルの高さまでの放水が可能だ。放水銃の操作は消防署員だけではなく、住民や店舗の従業員も行う。白川郷では10月27日に放水訓練が行われたばかりで、首里城の火災を受け住民たちは火災に注意していた。

   4日の火災でも、消防車が到着するよりも早く放水銃が稼働していて、消防隊員は「住民の消火活動もあって、これだけの延焼で済んだ」という。

   小倉智昭キャスター「日ごろから訓練なさっているんですよね」

   伊藤利尋アナウンサー「住民たちの意識の高さを感じます」

文・みっちゃん