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糖質制限で死亡率1・3倍以上!体に負担大きく心臓病やがんのリスク

   ご飯やパスタ、パンなどに含まれる「糖質」の摂取量を抑える糖質制限がダイエット法として人気だが、最新の研究では、死亡率が高まることがわかってきた。「おいしく食べて、健康にもいい理想の食とは何か。糖質の新常識をお伝えします」と松岡忠幸アナが取り上げた。

   アメリカのシモンズ大学で栄養学を専門とするテレサ・ファン教授の研究チームでは、アメリカ人約13万人の食生活と健康状態を20年以上調査してきた。そして、普段の食生活で糖質の摂取量が標準的な人と、とくに少ない人を比べると、少ない人は死亡率が1.3倍以上。なかでも心臓病やがんによる死亡率が高まることがわかったという。

不足するエネルギーをたんぱく質と脂肪で摂ると・・・

   そもそも、糖質は体を動かすために必要なエネルギー源だ。摂取量が少ないとエネルギーが不足し、代わりにたんぱく質や脂肪からエネルギーを生み出すようになり、脂肪や筋肉が減って体重も減る。これがダイエットに成功したかにみえるのだ。

   しかし、たんぱく質をエネルギーに変えるときに体内でアンモニアが発生し、体に悪影響を及ぼす。脂肪をエネルギーに変えるためには、糖質と比べると手間がかかり体に負担になる。糖質は最も効率よくエネルギーに変えられ、有害な副産物も出さない栄養素なのだ。

制限したほうがいいのは肥満と糖尿病の人だけ

   糖質を制限したほうがいいのは、肥満の人、糖尿病とその予備軍の人のみ。期間は1年以内にとどめ、完全に抜いたり、極端に減らしたりするのはNGだ。慶應義塾大学医学部の伊藤裕教授はこう警告する。

   「太っていなくて、糖尿病でもない人が糖質制限をやるのはよくないんです。必要もないですし、長期間やってしまうと、体に負担がかかってしまいます」

   厚生労働省の食事摂取基準によると、あまり運動をしない40代女性が、健康を維持するために摂るべき糖質の量は1日220グラム以上。食品に含まれる糖質の量は、たとえばご飯(茶わん1杯)なら55.7グラム、明太子スパゲッティなら73.1グラム、親子丼なら107.5グラムで、食事からしっかり摂らなければいけないというわけだ。

   松岡アナ「運動をそれなりにする20代女性は1日245グラム。(博多)華丸さんや大吉さんのような40代男性は、290グラムが目安です。10代の子供だと400~500グラム摂らなければいけないんです」