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伝説の名人話芸・上岡龍太郎が芸能界を引退した「ある理由」テレビに魅力がなくなったから
今の若い人は上岡龍太郎という名前を知らないだろう。横山ノックらと「漫画トリオ」を結成して一世を風靡した。その後、一人話芸で人気を博すが、上岡が以前から公言していたように、「芸能生活40年を迎える2000年には引退」してしまった。以後、ほとんど人前に出ない。辞めた理由を小説家の増山実がこう推測する。
<「上岡さんの話芸と圧倒的なセンスなら、その後10年、20年と芸能界のトップに居続けることができたはずです。それでも引退を選んだのは、おそらく自分の限界ではなく、テレビの世界に限界を感じられたからではないでしょうか。
上岡さんの魅力のひとつが、視聴者や番組スタッフに媚びないストレートな物言いでしたが、いまのテレビは、局が視聴者の抗議やスポンサーのクレームを過剰に恐れて、問題を起こさないよう慎重になりました。
90年代の終わりはそんな傾向が強まりだした頃。骨のあるテレビマンも減っていくなか、『芸能界では自分のやりたいこと、言いたいことを表現できなくなる』と敏感に感じとったのではないか」>
人間引き際が肝心。安倍首相に聞かせてやりたいね。(文中敬称略)