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「いばらぎ大使」って168人もいるの!?肩書悪用して有名フードアナリスト 6400万円の荒稼ぎ

   テレビ番組にもたびたび出演していたフードアナリストの藤原浩氏の金銭トラブルが、明らかとなっている。被害者は「いばらき大使」という県からのお墨付きを」信じてしまったのだろうが、この『大使』という肩書、実にいい加減なものだった。

   ケーキ店を経営する水越建一社長は、藤原氏から大手広告代理店との共同出資で会社を設立しようと持ちかけられ、働いていた会社を退職した。しかし、広告代理店側との打ち合わせという日になると、「担当者の母親が亡くなった」「担当自身が事故で死んだ」とドタキャンが続き、話は進まなかった。それどころか、「交渉が決裂し出資した1000万円が返ってこない。倒産しそうだ」と泣きつかれ、水越さんは120万円を貸してしまう。

   進捗状況を気にする水越さんに驚きの言い訳もしていた。ドキュメンタリー番組「情熱大陸」の密着取材を受けていて忙しいというのだ。もちろんその事実はない。その後、「万策尽きてしまいました」とメッセージを最後に 藤原氏と連絡が取れなくなってしまった。

   「藤原さんの話に出てくる人物に一度も会ったことがない。まるっきり詐欺事件のような話です」と水越社長は怒る。

「県の公社を通してやった仕事」と開き直り

   精肉店を営む飯島進社長は、藤原氏に店舗のロゴデザインを提案され、数十万円を支払った。「デザイナーは1デザイン300万円という一流のクリエーター」と説明されたからだ。デザイナーの名前を聞いても、いつもはぐらかされた。実際のロゴデザインは、ネットで誰でも無料で手に入れられるフリー素材のものだった。

   トラブル発覚後、藤原氏は周囲に「県の中小企業振興公社を通してやった仕事だ」と責任転嫁をするような発言をしていたという。テレビ朝日の取材に対しても、「企業への訪問時には、必ず振興公社の担当者が同行して、記録してきた。やった仕事の内容を管理監督する立場の振興公社にまったく責任がないという雰囲気には、違和感を感じています」と話している。金銭トラブルについては、少しずつでも返済する意思はあると釈明している。

報酬はないが、県下の自治体から業務オファー

   「いばらき大使」の任期は3年だが、本人の申し出がない限り自動更新される。現在は168人がいるという。大使としての報酬はないが、藤原氏は約4年間で、茨城県や複数の市から「いばらき食のアドバイザー」として約6360万円の報酬を得ている。

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「大使と言われれば、普通は1人だと思いますよね。大使が168人もいるなんてびっくりです。乱発してっていう安易さが元凶です。その人がどんな人品なのか、任命する側が責任を持って調べなきゃいけないこと」

   司会の羽鳥慎一「結果被害が出ていることを考えると、選考過程が問われます」

   藤原氏への報酬や活動経費は、茨城県民の税金である。