お父ちゃんの常治(北村一輝)は十代田八郎(松下洸平)に喜美子(戸田恵梨香)との結婚に条件を出す。陶芸家になる夢を捨て、丸熊陶業の社員として働き続けてほしいというのだ。「男は家族を養うていかなならん。好きなことは片手間でやればええ」という常治に、喜美子は怒りを爆発させた。
喜美子「お父ちゃん、ものづくりはそんな甘いもんちゃうわ。お父ちゃんが仕事終わりに酒飲むのとちゃうねん」
常治「何をー!」
口論は激しさを増していった。「この人が陶芸家として食べていけるようになるまで、うちが支えます」と一歩も譲らない喜美子に、「支えるだあ、意味分かってるのか」とお父ちゃんも鼻息を荒くする。
十代田は静かな口調で、自分の学校の先輩について話しだした。「陶芸展」というコンクールに入選し、陶芸家としての道が開けた人物だ。その人の作った湯呑は、今では1つ5万円もするという。
十代田「なんで5万で売れるわかります?」
常治「金があるところにはあるんやな」
十代田「いえ、それだけ心が動いたからです。魂が込められたものは本物です。僕はそういう作品を作りたい。誰かの心を支えたり、癒したり励ましたりできる、そういう作品を。僕はその陶芸展に出品して賞をとります。陶芸家になります。どうか喜美子さんと結婚させてください」
常治は思わず「とれるもんならとってみい。受賞祝いと結婚祝い、一緒にやったるわ」
(NHK総合あさ8時)