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減塩弁当のほうが実は美味しい!?言われないで食べたらホントにそうだった

   厚生労働省が定める1日の食塩摂取量の目標値は、男性8グラム、女性7グラムだが、実際は日本人は平均で約10グラムも摂取している。塩分の取り過ぎは動脈硬化や脳卒中などのリスクが高めるとあって、イギリスでは国を挙げて減塩を推進し、8年かけて国民全体で平均1.4グラム摂取量を減らすことに成功した。脳卒中や心臓病の死亡率は40%も減少したという。

   小林孝司アナが日本でも「減塩食品が進化している」と紹介した。大手食品メーカーで減塩食品を開発する野村善博さんは、納豆に含まれるネバネバ成分「ポリグルタミン酸」を食品に加えると、塩味を強く感じられることを発見した。現在、大手コンビニチェーンの弁当・麺類などの減塩商品を開発中だ。

コンビの食品は知らないうちに「こっそり減塩」に

   ある日の打ち合わせでは、「かき揚げそば」の従来品と、ポリグルタミン酸を加えて15%減塩した試作品を用意して試食した。商品・物流・品質管理本部の山岡美奈子さんは「現行品と比べて、全然こっちのほうがおいしいです。正直、食べるまでは『減塩イコールおいしくなくなるけど、どこまで許せるか』みたいなところなのかなって、うがった見方をしていたんですけど、びっくりです」と、その味に驚いていた。

   野村さんの試作品は、かき揚げそばの食塩含有量は5.0グラムから4.2グラムに減っている。ソース焼きそばは7.4グラムから4.3グラム。ただ、減塩であることは消費者に教えず、こっそりやるのが減塩を進めるポイントだという。

   慶應義塾大学医学部の伊藤裕教授は「小さい時に養われた味覚はなかなか変えられないので、意識してやろうとすると、実は減塩は難しいんです。知らないうちに減塩食品があふれている世の中が作り出されるのがいいと思います」と話す。

   減塩に成功したイギリスも、政府と食品メーカーが組んで「こっそり減塩」を進めたのだ。