2020年 2月 21日 (金)

<左ききのエレン/最終回「天才になれなかった全ての人へ」>(TBS系)
朝倉の「共感」というコンセプトに反し、カメラマン佐久間とモデルあかりは自分勝手な撮影を始める

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   天才ではないことを自覚しながらも『何か』になりたいと日々奮闘している大手広告代理店「目黒広告社」のデザイナー・朝倉光一(神尾楓珠)と、絵の天賦の才能を持ちニューヨークで画家として活動する山岸エレン(池田エライザ)。二人は高校の同級生で、芸術家を目指して同じ馬車道美術学院で研鑽し合った仲だった。

   自分のあり余る才能に苦悩する天才と、才能がないゆえにもがき続ける凡人が、それぞれに挫折を繰り返しながら、お互いを認め合い、本当の「自分」を発見するまでを描き出す青春ドラマ。原作は自身も美大卒業後に広告代理店でアートディレクターとして働いた経験がある、かっぴーの同名の漫画だけに、ストーリーにもディテールにもリアリティーがあり、見ごたえ十分だ。

   上司であるクリエイティブディレクター・柳一(丸山智己)との軋轢から「これが最後」と決めた仕事、園宮製薬のリブランディングに打ち込む朝倉は、『憧れより共感』をコンセプトにポスター制作を進めていた。

朝倉が手掛けたポスターにスプレーをかける事件が

   だが、朝倉の意に反してイメージキャラクターに選ばれたのは、「共感」というコンセプトとは相容れないカリスマトップモデル・岸あかり(八木アリサ)だった。朝倉とあかりは学生時代に付き合っていた仲だったが、朝倉にとっては、やはり天才であるあかりから「光一って、クソみたいに普通だね」「男が女に才能で勝てないんだったら、セックスしかないだろ」と一方的に迫られ、振り回された屈辱的な思い出しかなった。

   しかも、あかりは撮影スタジオに世界的名声を誇るカメラマン・佐久間威風(板橋駿谷)を連れてきた。朝倉が心配したとおり、2人は「共感」というコンセプトを無視して、自分たちが追い求める「完璧な写真」を撮ろうと勝手に撮影を進める。2人の撮影は周囲を圧倒するまでに熱を帯び、今まさに2人にとっての「究極の1枚」が撮れる瞬間を迎えようとしていた。と、その時、朝倉が「勝手なことをするな!」と割り込み、撮影を遮ってしまう。

   極限まで高めていた精神の集中を突然断ち切られたあかりはその場に倒れ込む。佐久間は朝倉に「お前、何をしてくれたんだ!」と怒りを爆発させる。朝倉がアートディレクターという立場で自分を正当化すると、佐久間は朝倉に馬乗りになって「立場を盾にしゃしゃり出るんじゃねえ」と殴りつける。

   そして、自分がどれだけの努力を重ねて今の地位にたどり着いたかを泣きながら語る。佐久間とあかりにとって一生に一度めぐり会えるかどうかの「究極の瞬間」を、自分の薄っぺらなプライドでぶち壊したことを悟った朝倉は、ふらふらとスタジオを出ていった。

   そのころテレビのニュースは、衆人環視の街中で、何者かが朝倉が手掛けたポスターにスプレーで落書きした事件を伝えていた。朝倉はそれがエレンから自分へのメッセージだと直感し、エレンとの思い出の街、横浜に向かう。かつて朝倉がデザインした商品の巨大な看板が立つビルの屋上。夜空を背景に煌々と照らされた看板に、左手にスプレー缶を持ち、黒いフードをかぶった人影が近づいていく。やはりエレンだ。歩み寄る朝倉に、エレンは「たとえ『何か』になれなくても、信じろ! だから描けよ!」と檄を飛ばす。

   その言葉を聞いて駆け出した朝倉は、果たしてどこに向かうのか? 「原作より面白くなってしまうんじゃないかとビクビクです」と絶賛する原作者の熱い思いが凝縮された感動の最終回だ。(12月24日深夜1時50分放送)

寒山

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