2020年 12月 4日 (金)

少年ピアニストを救い、新副院長を救い、相変わらず失敗しない女医はひょうひようと去ってゆくが・・・
<ドクターX~大門未知子~最終回>(テレビ朝日系)

   大門未知子の最後の手術は2人。1人は天才少年ピアニストで、手術をすればピアノが弾けなくなると心配するが、未知子は「わたし、失敗しないので」と執刀する。チャリティコンサートが企画されて、少年がステージに立つと、ちゃんと弾けた。未知子の言葉が正しかったのだが、笑っちゃったのは、ここでショパンの同じワルツばかりが弾かれる。ワルツ1曲でコンサートは成り立たんよ。
   もう1つの執刀は、拘置所で倒れた新副院長・ニコラス丹下(市村正親)の心臓である。絶対に難しいからやめろと袋叩きにあうが、未知子は1人で孤独に手術を開始する。チャリティコンサートを聴いていた外科医たちは、期せずして助手にならねばと思い立ち、日頃未知子に意地悪ばかり言う彼らが、大挙して手術室に助けにくる。
   少年を救い、新副院長を救い、大門未知子はひょうひょうと去ってゆく。相変わらず晶(岸部一徳)はメロンを持って蛭間(西田敏行)を訪ね、巨額費用を請求して踊りながら帰る。「御意!」のへつらい男・海老名(遠藤憲一)元外科部長は、自分が癌に犯されていると落ち込んでいたが、良性腫瘍だと判明して小躍りする。
   相変わらず視聴率好調な当ドラマだが、ディテールを見ると、ありえないマンガチックな展開の部分が多く、絶対に失敗しないスーパー女医もリアル社会ではありえない。つまり、このドラマは荒廃した現実の高齢化社会における、人々の願望を絵に描いた理想郷なのである。失敗しない外科医が現実にいてくれれば助かるが、さて。(放送2019年12月19日21時~)

(黄蘭)

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