箱根大学駅伝は青山学院大がトップで大手町のゴール飛び込んで総合優勝した。それにしても、近ごろテレビの駅伝中継でやたらに目につくのが大学名をプリントした幟だ。とくに、中継点の手前や箱根の山道のカーブでは林立状態になる。応援というより、もはや大学の宣伝である。これまで50回以上の出場実績があり、今大会でも走っているある大学の元事務局長はこう話す。
「六大学などは違うでしょうが、上位争いでテレビ中継に頻繁に写ればもちろん、出場するだけで、その春の受験生は増えます。地方では、ウチのような知名度の低い大学を受験しようとすると、親から『どこの大学だ?』と言われてしまうようなのですが、箱根駅伝に出ると『ああ、あの大学か』と納得してもらえるからです」
30%を超える視聴率の7時間番組に2日うつり続ければ、たしかにたちまち知名度は上がる。たとえ下位でほとんどテレビに写らなくても、中継点では最下位の大学のたすき受け渡しまで放送してくれるので、このときに幟を並べれば、大学名を露出できる。中継点の手前や中間点で林立状態になるのは、このためなのだ。
ただ、幟、小旗、横断幕などによる応援には規制もある。競技連盟は「スタート・フィニッシュ地点、中継点の100メートル前後などは禁止」「一般観衆に配布しない」「競技者通過の1時間以上前からの応援禁止」というルールを定めていて、違反が確認されたら、「今大会のそれ以後の応援活動は直ちに一切禁止」「次回大会も応援活動制限」などのペナルティーを科せられる。
(テレビウォッチ編集部)