J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

暗殺された司令官殺害の葬儀が終わった今、いよいよ報復攻撃が始まる? 米国もイランも一歩も引けない

   トランプ政権によって殺害されたイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官の葬儀が6日(2020年1月)に終了、いよいよ喪が明けた今、アメリカに対する報復が危惧されるなど緊張が高まっている。

   中東情勢に詳しい国際開発センター研究顧問の畑中美樹さんは、「ソレイマニ氏は英雄的なカリスマ的なリーダーとして、人気を集めている指導者。イランのナンバー2と言っていい人物」と語る。

イランのナンバー2をテロリストにしたトランプ大統領

   イラン最高指導者のハメネイ師は「血で手を汚した犯罪者は重大な報復を受けるだろう」と報復を予告。革命防衛隊は「アメリカの35の重要組織を攻撃できる」と宣言する一方で、トランプ大統領も「イランの52カ所を攻撃目標に定めている」と強気の姿勢を崩さない。

   5日にはイランのロウハニ大統領が「核合意で定められた制限には一切従わない」と宣言する一方で、トランプ大統領は「イランが核兵器を持つことは決してない」と双方一歩も引く気配はない。

   今後軍事衝突の恐れはあるのか。上智大学教授の前嶋和弘さんによると、トランプ大統領は戦争を望んでいないが楽観視できない。報復につぐ報復が繰り返されると何が起きるかわからないと指摘する。

   橋渡し役が期待される安倍晋三首相は「事態のさらなるエスカレーションは避けるべき。すべての関係者に外交努力を尽くすことを求めます」と呼びかけている。

   ロバート・キャンベル(日本文学研究者)「独立国家の高官を殺害するのは、テロの戦闘員の殺害とは違う。70年代からアメリカでは暗殺を禁止しているが、オバマ政権ではテロの犯人を殺害していた。トランプ大統領は今回の殺害をテロと同じと位置付けている」

   畑中美樹さん「イランとしては突然アメリカが脱退した核合意を戻したい。欧州各国は核合意を維持して、イランとの関係を良くしたいと考えている」

   ロバート・キャンベル「イランにはアメリカに妥協すべきだという人たちがたくさんいたが、今はアメリカが悪。報復をしないと政権が持たなくなる」

   司会の加藤浩次「戦争になった場合、イランはかなわないのでは?」

   畑中美樹さん「量的にはかなわないが質的に優れた武器を開発している。高速艇、ドローン、ミサイルなどでピンポイント攻撃を行い、トランプ政権に対する支持を下げたい」