2020年 11月 28日 (土)

認知症の名付け親、長谷川和夫医師の認知症発症を追ったドキュメント
<NHKスペシャル 僕が認知症になって気づいたこと>(NHK総合)

   長谷川和夫医師は「痴呆症」を「認知症」と言い換えるように提言した認知症の専門医であるが、90歳を越えて自分が認知症になってしまった。いかにも頭のよさそうな品のいい紳士であるが、娘の「まり」さんを奥さんと呼び間違えたりする。見かけは普通で、講演もやっているしヨボヨボしてもいない。だが、多少目が虚ろだ。彼を500日密着取材したドキュメントである。
   認知症になることは「不便」だけど「不幸」じゃないと彼は言う。知的な奥さんや世話好きそうな娘さんが傍についている長谷川氏は恵まれた認知症患者だから、一般的ではない。夫婦2人だけで老々介護の悲惨なケースが数多存在する時代である。もっと別の例も見たかった。というのは、知人の奥方がアルツハイマー型認知症になったと最近聞いたのである。何故か暴力的になったので入院させた。
   新年も病院から帰してもらえなかったらしい。その夫から聞いたところでは、病室には鍵がかけられているとか。恐らく徘徊の予防であろうが、聞くだに恐ろしい。まるで牢獄ではないか。長谷川氏のように恵まれた患者のドキュを見たこの夫は何を感じるだろうか。別にイチャモンを付けるつもりはないが、本人が認知症なのであるから、脳の内側を客観的に分析解説できるわけもないだろう。
   願わくば、貧しい老人医療の問題点をもっと厳しく取材しておくれ。恵まれた90歳の日常ははっきり言って参考にならない。(放送2020年1月11日21時~)

(黄蘭)

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