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あなたの職場の「妖精さん」席にいなくて仕事が遅い中高年サラリーマン・・・本人たちはどう思ってるの?

   妖精さん――職場に出て来ても、ろくに働かない中高年サラリーマンをこう揶揄するのだという。由来は「朝の数時間しか姿を確認できない珍しい存在」だから。若い世代が付けた。

   街で聞いてみると、妖精さんはあらゆる業界にいるようだ。「明らかに寝ている人もそうなんですが、席に全然戻って来なかったり・・・。お散歩でもしているんでしょうか」(30代女性)、「席にいない。タバコ吸いに行ってるとか、電話してるとか。やたらと電話が多いんです」(28歳女性・営業事務)、「ハンコ押すくらいしか仕事ないのに、その決済すら遅い」(30代男性・通信)などなど、散々な言われようである。

   もちろん、「今まで積み上げてくださった方々なのでそれ相応の待遇があってもいいと思う」(20代女性)という声もある。

   「妖精さん」と呼ばれているかも知れない50代のサラリーマンたちの言い分も聞いてみた。「パフォーマンスはたしかに落ちますが、経験値でカバーしようと努力はしている」(58歳男性・医療系)、「安い給料で頑張っている若い人の気持ちも分かるけど、俺たちもそういうのを経験してこの年になった」(54歳男性・物流)、「年を取るというのは経験しないと分からない。とにかく、体力が落ちれば気力も落ちちゃう。頭も昔ほど働かない」(57歳男性・福祉)

働きのわりに給料が少ない30代、40代の不満

   「妖精さん」は個人の問題ではなく、新卒一括採用で終身雇用制という日本型雇用の産物と言える。経団連は21日(2020年1月)、2020年春闘で経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会報告」を発表し、「年功序列の賃金制度など日本型雇用の見直しに重点を置く」とした。

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)は「僕も大人の事情で、たまたまコメンテーター始めたけど、やっていなかったら、いまごろ羽が生えてました。紙一重ですよ」

   浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「定年が延長されれば、妖精さんはもっと増えます。唯一の解決策は、働いた量に合わせて賃金を払うことです。一番働いていて、子育て期でもある30代、40代に手厚くするしかない。私も朝日新聞にいたとき、めちゃくちゃ不満がありました。職場がギスギスしないためにも制度を変えないと」