2020年 2月 21日 (金)

痴漢を記録するアプリでわかった被害多発エリア、手口、風体・・・もう泣き寝入りはしない!

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   痴漢の被害や目撃情報を記録できるスマホアプリが去年(2019年)8月、ITベンチャー企業によって開発された。「痴漢レーダー」というもので、」ボタン一つで被害の場所や内容を登録できる。半年間にあがった痴漢情報は2300件を超す。そこには、これまで被害にあっても通報も相談もできない人が89%にのぼる(警察庁調べ)。

   記録された被害の半分は東京だった。やはり、新宿、池袋、渋谷、東京といったターミナル駅に多く、高校や大学が集中する駒沢大学駅や高田馬場駅の周辺も目立った。交通機関絡みの66%は電車内だが、車内に立っているときばかりでなく、座っているときや乗り降りのすれ違いざまもあり、駅構内も22%。ホームや改札、エスカレーターでも体を触る、髪の匂いをかぐといった痴漢行為が起きていた。

狙われやすいスマホ操作や買い物中・・・多いのは「スーツ姿の男」

   データを分析すると、被害にあいやすい状況があることもわかる。去年8月、駅通路のコインロッカーで荷物の出し入れ中に盗撮被害にあった女性は、向かいにあるそば店の店員に言われるまで、まったく気づかなかった。目撃者の女性店員は「朝の10時半ごろで、人通りも結構ある場所で、男が女性の後ろから下半身を盗撮していました」と証言する。

   「何かに気をとられている人は狙いやすい」と、過去に6回の逮捕歴のある男性が語る。スマホ操作や商品選びに夢中の人は「しやすかった」そうだ。アプリ記録の中にも、コインパーキングの支払い中や友人との話し中、アイドルのポスターの前や総菜売り場があった。

   痴漢対策に取り組んできた精神保健福祉士の斉藤章佳さんは、「加害者は冷静に被害者や周囲の状況をつかんで行動する」という。多いのは「スーツ姿の男性」だが、中高校生や、なかには女性専用車両で女性から下半身を盗撮されたケースもある。

   周囲の人たちの「見て見ぬふり」も浮き彫りになった。先月(2019年12月)、都内の電車内で痴漢被害を主張する女性と「触っていない」と怒鳴る男性の現場に居合わせた30代女性は、周りの乗客たちが誰も反応せず、見ようともしないで普通に降りていく模様をアプリで記録した。「異常でした。日本で現実に起きていることです」という。警察庁が2011年に「痴漢を目撃したらどうするか」を調べた結果の「どんな行動もとらない」45・2%の数字とほぼ符合する。

   立正大学の小宮信夫教授は「変だと思っても、自分でなくても誰かが注意するだろうとか思ってしまい、責任感がわきにくい」という傍観者効果を指摘する。

コンビニ痴漢の被害も増加中

   痴漢の現場は電車や駅周辺ばかりではない。コンビニでの被害が全国に広がっていた。「すれ違いざまにお尻を触られた」というのが多い。小宮教授が一因にあげるのは、コンビニの明るさだ。「加害者は女性の容姿も逃げ道も確認できる。被害者側にもまさかコンビニでとの油断があります」という。

   自転車に乗った人物による痴漢被害も各地であった。「通り過ぎるときに体を触ってダッシュで逃げて行った」(兵庫県伊丹市)、「後ろから追い抜きざまに触られた」(埼玉県蕨市)など。複数の逃げ道のある場所という点が共通していた。

   アプリを開発したのはITベンチャーの女性2人だ。「痴漢被害をデータにすることで人々の意識を変えたい」「まずは被害実態がどれぐらいかを示さないと、世の中は動かない」という。

   龍谷大学犯罪学研究センターの牧野雅子さんは、「被害者は声をあげることがむずかしく、ハードルが高かった。このアプリなら負担は少ないし、目撃者も書き込めて傍観者にならない仕組みとしても有効です」と評価している。

NHKクローズアップ現代+(2020年1月23日放送「データが浮き彫りに!知られざる痴漢被害の実態」)

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