子供のおしゃれ過熱に母親の心配――ブランド服着てないと学校でいじめ
子供の「おしゃれ熱」が加速しているという。子供向けのファッションブランドにファッション誌、おしゃれマニュアル本などが登場し、大人顔負けのコーディネートを楽しむ子供が増えている。
子供のファッションへの関心の高まりについて、甲南女子大学の米澤泉教授が背景を解説する。「いまの子供たちは、非常に情報も豊富ですし、ファストファッションが登場して以降は、低価格で子供でもすぐに手に入るようになりました。大人以上におしゃれに熱中しているような状況じゃないかと思います」
ファッション雑誌呼んでいなかったら仲間外れ
松岡忠幸アナは「一方で、過熱に戸惑いを感じるという親子もいるんです」と報告する。小学6年生のAさんとその母親は、おしゃれに目覚めた同級生についていけず悩んでいる。
ある時期から、同級生たちが休み時間に中学生向けのファッション誌の話題で盛り上がるようになったが、読んでいなかったAさんは全く会話についていけなかった。母に頼んで毎月雑誌を買ってもらい、会話についていけるようにしたが、そのうち女子の大半が雑誌で人気のブランド服を着るようになった。ブランドのアイテムを持っていなかったAさんは、クラスで浮いてしまい、一部の女子から「ダサい」などとバカにされるようになったという。
Aさんは「孤立した感じがしてすごく寂しかった」と話す母親に頼んでみんなと同じブランドの服を買ってもらったが、母親は違和感を覚えたという。「流行っていても、自分に似合わないものを着ていてもどうしようもないし、『いじめられるから買ってほしい』というのはどうかなと思いました」