2020年 2月 22日 (土)

心打たれる精神科医師の、大震災被災者に寄り添う物語。柄本佑が素晴らしい
<心の傷を癒すということ 第1回~第4回>(NHK総合)

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   在日三世の安克昌氏という優秀な精神科医の著作、『心の傷を癒すということ』(サントリー学芸賞受賞)を基にした物語である。安和隆(柄本佑)は子供の頃、事業家で気難しい父・哲圭(石橋凌)と母(キムラ緑子)から、自分の家の苗字が安田ではなく安だと教えられて韓国人を初めて意識する。兄弟はみんな男の子であった。
   父の反対を押し切って医学部では精神科を専攻する。尊敬する恩師・永野良夫(近藤正臣)の影響であった。たまたま小津安二郎の『東京物語』を映画館で見ていた時に隣り合った女性、終子(尾野真千子)と会話し、愛し合って結婚、子供にも恵まれる。
   阪神淡路大震災の時、和隆は避難所の人々に寄り添い、「心のケア」に気を配り、ひたすら傷ついた弱者に寄り添う。大震災を外から取材した記事はあるが、中、つまり、傷ついた人の側から描いたものはないと連載を頼まれ、後にこれが本になり学芸賞受賞につながる。和隆に扮する柄本佑が素晴らしい。物静かでひたむきで、清潔感があり、優しい。あの、ちょっと薄汚い名優の息子だとは思えない。
   筆者の古い友人が神戸に嫁に行き、その夫は大震災で家の下敷きになって死んだ。亡き筑紫哲也が「温泉みたい」と煙を形容して大顰蹙を買った阪神淡路大震災。その陰にこんな医者がいたとは知らなかった。わずか39歳にして末期がんで亡くなった安氏への鎮魂の物語として、まことに心打たれる作品であった。(放送2020年2月8日21時~)

黄蘭

採点:2
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