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「パワハラ体験会」防止法施行を前に各企業が開催――あまりの迫力に涙す社員

   6月(2020年)に「パワハラ防止法」が施行されるためか、多くの企業でパワハラ被害者と加害者を体感する「パワハラ体験会」が行われている。対処法やパワハラの線引きなどを、実体験を通じて学ぶ。

   物を投げたり大声で叫んだりする「身体的攻撃パワハラ」、密室で執拗にミスを責め立て、「お前は幼稚園か」「専業主婦でもやったら」などと業務とは関係ないことを言って追い詰める「精神的攻撃パワハラ」が再現され、かなりの迫力に涙目になる体験者もいる。

   企画した「WITS」の喜多野正之・塾長さんは、「昭和の人はパワハラだと知らずにやっている場合もありますね。逆に、平成組は何をされてもパワハラだと感じてしまうようです」と話す。

知らない間にやっていた・・・ある日突然「警告書面」

   産業カウンセラーの大野萌子さんは、法律施行後は先輩社員は注意が必要だと指摘する。「自分が加害者にならないように心掛けないといけません。認識不足だと、ある日突然、人事から呼び出されたり、弁護士から連絡がきたりする可能性もあります」。そうなれば、すべてを失うことになるかも知れない。

   実際に、そういう目にあった男性(50)がいる。面談で部下に人事評価を伝えたら、翌日から会社に来なくなってしまった。後日、外部の労働組合から「ハラスメントだ」と訴える一通の書面が届いた。声を荒げたわけではなかったが、確かに厳しい言葉を使ったと男性は認める。「書面が来て、初めて自分がパワハラをしたと知りました。自分が良いと思って指導していたら、ある日突然ハラスメントだと言われてしまったわけです。分からなくなってしまった」

あなたは大丈夫か?8項目で自己診断

   大野さん監修の8項目の「パワハラ上司度チェック」のうち、3つ該当したら「予備軍」、5つで「危険度大」だ。(1)物事を勝ち負けで判断しがち(2)周りの人や家族から「怒ってる?」と聞かれることがある(3)「どうせ」「〇〇しても無駄」が口癖(4)自宅にいても休まらない(5)ミスをしたときは誰かのせいにして自分を納得させる(5)人に謝るのが苦手(6)「~すべき論」を強く持っている(8)「あのときこうすれば良かった」と自分への後悔が多い

   キャスターの立川志らく「私はパワハラで叩かれたことあるけれど。弟子を二ツ目から前座に落とした。でも、それは修行の一環だから」

   これが典型的な昭和の感覚だ。本人のための修行と思っているのは志らくの方だけで、やっていることはパワハラそのものである。

   司会の国山ハセン「線引きが難しいですよね」

   髙橋知典(弁護士)「弁護士業界でもあります。司法試験受かるだけでも大変なのに、1か月や2か月でハラスメントを理由に(弁護士事務所を)辞めてしまう人も結構います」