2024年 4月 25日 (木)

『相模原・障害者殺傷』裁判で問われた「この国はみんなが大切にされる世界になっているか」

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重度障害の娘の父・最首悟さん「人間の大事な姿わかってほしい」

   土屋さんが2月5日に傍聴した公判では、犠牲者遺族が植松に語りかけた。「あなたの大切な人はだれですか」「意思疎通と努力したのはどういうときですか」と問われ、植松は「大切な人はいい人です」と言い、「どういうとき、どういうとき」と繰り返しつぶやくばかりだった。

   土屋さんは人工呼吸器の電源を切らずに傍聴した。「目があっても怖い、(存在を)否定されるという感情はわきませんでした」「日本の社会と向き合いたいと思って来たが、結果的には自分と向き合っていたのです」と語る。ノートには「社会に向けて、(障がい者は)迷惑していない。幸せに生きていると主張したい。あるがままに生きていける社会になって欲しい」と書いた。

   重度障害者の娘がいる社会学者の最首悟さんは「(障がい者を)せめてつぶさないで。小さい、ささやかな世界として人間の大事な姿をわかっていただければ」と話した。福祉現場を20年以上取材するノンフィクションライターの渡辺一史さんは、「植松被告は特別の家庭環境からああいう人格が生まれたわけではなく、ごく普通の環境からああいう事件を起こす人間が現れうることを(裁判を通じて)知った」という。

   検察は植松被告に死刑を求刑し、弁護側は心神喪失からの無罪を主張している。判決は3月17日の予定だ。

   ※NHKクローズアップ現代+(2020年2月20日放送「わたしたちの"答え"を探して~障害者殺傷事件裁判 傍聴者たちの43日~」)

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