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元厚労相・舛添要一「新型ウイルスに安倍はすでに負けている」恐怖を煽るばかりの思いつき対応

   安倍首相が「小中高校を3月2日から春休みまで臨時休校にするよう要請する」と話すテレビを見ていて、ああ、こうやって安倍は戦争も始めるんだろうなと思った。新型肺炎が国内でも急速に広がるなか、何も有効な手を打てず、お友だちたちと酒を酌み交わしていたのに、突然、休校して以降の対策も考えず"決断"したようだ。

   サンデー毎日で舛添要一がこういっている。「感染症の危機管理は全面情報公開がべスト。情報公開で一般大衆を巻き込むべきだった」。舛添は都知事としては失敗したが、厚生労働相としては優秀で、2009年に新型インフルの対応に成功した。また、専門家会議を発足するまでに1か月半もかかっていることに、「戦力の逐次投入ではウイルスとの戦いに勝てない」と指摘している。

   安倍の後先を考えない"発作的"要請は、新型肺炎に対する恐怖を徒に煽り、案の定、日本中が大混乱している。火に油を注いだのはけさ28日(2020年2月)のテレビ朝日系「モーニングショー」だった。司会の羽鳥慎一も、コメンテーターの玉川徹も、「これはやるべきだと思います」という前提で話を進めた。これをやる前に、「安倍首相には他にやることがあっただろう」とは思わないらしい。

   街の声は、ほとんどが否定的で、子どもといられると喜んでいたのは専業主婦だけである。当然だろう。企業はテレワークをやればいいと無責任にいうが、IT企業ならいざ知らず、一般の企業が対応するには時間がかかる。共働き、シングルマザー、シングルファーザーはどうするのか。

   永田町を開放して、ヒマな政治屋たちが東京都民の子どもたちを預かったらどうか。思い付きで、国民を右往左往させる、安倍政治の一番悪いところが今回の騒ぎの中で出たのである。おそらく、安倍はこのままでは東京オリンピック開催が危ういと考えたのではないか。IOCに対して、これだけ一生懸命ウイルス対策をやっています、だから中止なんていわないでと、その程度の危機感ではないのかと推測する。

   「モーニングショー」で玉川が、国民に危機意識がなさすぎるから安倍発言が出て来るというようなことを、したり顔でいっていたが、冗談じゃない。恐怖を煽っているのはテレビ、それも視聴率を稼ぎたくして仕方がないワイドショーではないか。

   何度でもいう。今回の新型肺炎はそれほど恐ろしいものなのか。正しい知識や情報を国民に全面開示しないから、何か見えないものに、みんなが怯えているのだ。罹ったらすぐ医者で診てもらって、正しい治療が受けられるとなれば、持病を持っている私のような高齢者を除いて、さほど恐がることはないのではないか。

新型コロナで痛感させられた「自動車もユニクロも食料も観光も中国頼み」

   きょう28日(2020年2月)に週刊現代と週刊ポストが発売になった。駅で買って目次を見て、破り捨ててしまいたくなった。週刊現代は相も変わらず、「やっておくべき手続き」、週刊ポストは「『がん保険』入ったのに治療費がおりない」である。お前たちはジャーナリストじゃないのか! 週刊誌を何だと思っているんだ!

   新型肺炎をまったくやっていないわけではないが、アリバイ証明以外の何物でもない。週刊現代のコラムで金平茂紀が書いているように、今回の騒動で嫌というほど知らされたのは、「私たちの国の中国への依存度の大きさだ」(金平)。マスクだって最大の生産地は中国である。

   その中国がまさに風邪をひいたら、日本が肺炎にかかったのである。自動車もユニクロも、何もかもを中国に依存してきた。食料も観光収入まで中国だのみ。韓国の日本への依存度などとは比べ物にならないのだ。

   株は暴落し、消費税増税で冷え込んだ景気はさらに悪化する。週刊現代という雑誌は、昔、サラリーマンのための雑誌と謳っていた。いまこそ、サラリーマンはこの難局をどう生き抜くのかを、教えてあげるべきではないか。そいう雑誌が待たれていると思う。

   その週刊現代から1本だけ。弘前大学を拠点にした研究プロジェクトが、短命県として名高い青森県民を毎年1000人以上、継続健康調査した「ビッグデータ」があると報じている。

   認知機能の低下がみられた人の過半数が、6時より早い時間に起床していた。最終学歴の高い人のほうが動脈硬化になりずらい可能性がある。男性の場合、視力が低くなる、歯磨きの回数が減れば減るほど、軽度認知症になる傾向が強くなる。握力が41キロよりも低いと認知機能が低下するので、その傾向が見られたら握力を鍛えるといい。

   私は夜型で、朝遅くまで寝るタイプ。視力は限度まで落ちているから致し方ない。左手の握力がかなり低下しているから、ここを鍛えるか。でも、3日経つと忘れるからなあ。

天敵の東京新聞・望月衣塑子記者が喝破「安倍首相の強さはウソがばれてもへこたれないところ」

   フライデーから。テレビ東京の人気アナだった鷲見玲奈アナ(29)が、同じ社の増田和也アナとの不倫騒動で大騒ぎになったことがあった。社内調査はシロだったというが、いくつかの番組を降ろされ、不遇をかこっていたが、ついに、退社を決意したという。

   長嶋茂雄が胆石で入院したのはだいぶ前になる。退院してからも、それまで続けていた自宅周辺を歩くリハビリもせず、家に引きこもっているという。東京オリンピックでは、聖火リレーをしたいといっていたが、それも見果てぬ夢になりそうだというのである。ミスター、あなたは生きていてくれるだけで、われわれ中高年の星なんだから、そこにいてくれればいい。

   同じフライデーに、現職の警視庁組織犯罪対策第3課のM警部補(51)が、住吉会系暴力団幹部のX組長の紹介の女性と、ラブホへ入って1時間を過ごした姿を撮った写真を複数掲載している。この警部補、目線は入っているが、ごつい、いかにもデカという顔かたちである。こういう写真が出て、彼がそのままお咎めなしということはないだろう。どういうルートでこの話が流れたのか。そっちのほうに関心がある。

   FLASHに、安倍や菅官房長官の天敵、望月衣塑子・東京新聞記者が出て、「安倍首相を褒めて」といわれて、こう答えている。安倍の一番いいところは、「ウソがばれてもへこたれないところ」だという。「あれは"学習しない強さ"といえます。学習しないということは、ある意味、無敵です。言い換えると、"1+1=2 だ"と言われても、"いや、3だ"と言い続けられる強さ。

   国会の答弁でも、なにかにつけ、『安倍事務所が』と水戸黄門の印籠みたいに強弁する。そんな珍答弁を続けて、相手をあきらめさせてしまうんです」

   けさの朝日新聞(2月28日付)で、池上彰が黒川弘務検事長の定年延長について、森法相が黒川を延長させる理由を「重大かつ複雑、困難な事件の捜査・公判に対応するため」と答えたことに、「黒川氏がいなくなると、検察庁には仕事を引き継ぐことができる人材がいないという意味に取れます」、日本の検察にはそんなに人材がいないのか、検察官も怒ってしかるべきだと書いている。

   桜を見る会よりも、新型肺炎よりも、この問題のほうがより深刻で、重大だと、私は考える。

   中江滋樹(66)といっても、覚えているのは、私のような古い人間だけだろう。兜町の風雲児といわれたことがあった。その頃に、中江と会っている。取り巻きが胡散くさい連中で、その中で、坊やみたいな顔をした中江がいた。フライデーは、当時のアイドル歌手の倉田まり子とのツーショットを創刊号に載せた。

   詐欺で逮捕服役。再び復活したかと思えば、突然、姿を見せなくなった。2月20日、葛飾区にある築27年の木造アパートから火が出て、焼け跡から中江の変わり果てた姿が見つかったと、週刊文春が報じている。彼の死を哀れとは思わないが、一度ゆっくり往時の話を聞いてみたかった。

ブルームバーグかサンダースか――アメリカ大統領選でトランプにとって苦手なのはどっち?

   少し静かになったが、愛子天皇に対する支持率は、今も80%ぐらいあるのだろう。私は、彼女が天皇になることに何も問題はないと思う。だが、意外なことに、週刊新潮によると、それに反対しているのは、安倍首相だけではないという。

   現天皇陛下は皇太子のとき、小泉純一郎首相が女性・女系天皇の容認を含む皇室典範の改正をしようとしていた頃、「ちょっと待ってほしい」と漏らしたというのである。八木秀次・麗澤大教授は「出来得る限り男系で維持しなければというお気持ちが陛下にあるのは確かでしょう」といっている。私は、親心として、一人娘を天皇にさせたくない、苦労させたくないというところから出ているのではないかと推測する。

   ニューズウイーク日本版から。ようやく出馬を表明したマイケル・ブルームバーグだが、2月19日(2020年)に行われた大統領選民主党テレビ討論会では、他の候補からの集中砲火を浴びて、準備不足を露呈し、大失敗だったといわれているようだ。これで、サンダースが有力になってきたようだが、そうはいかないと、サム・ポトリッキオが書いている。

   未だにトランプは、ブルームバーグを強烈に意識しているという。彼の卓越した敵の力量を計る能力が、ブルームバーグがライバルと位置付けているそうである。

   共産主義者とまでいわれるサンダースだが、巨額の資産と3軒の家を保有している。3月3日のスーパーチューズデーで、サンダースが代議員の過半数を獲得することを阻止できれば、党大会で、ブルームバーグが候補者指名を獲得できる可能性はあると見ている。答えはすぐで出る。

   きのう27日(2020年2月)は、大井競馬場で初の無観客レースが行われた。土日は中央競馬でも無観客でレースが行われる。馬は、客がいようがいまいが、知ったことではないのかもしれない。だが、ダービーや有馬記念のとき、発走前に起こる歓声に馬が怯えて、騎手を振り落とすことがある。馬というのは敏感な動物である。客がいないのではと、レースを止めてしまう馬が出るかもしれない。そんなことも含めて、戦後初めての無観客レースを楽しみたいが、このところ馬券が当たらなくて......。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。