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一斉休校なし、集会も50人以下ならOK!新型コロナにゆる~い対策を行うスウェーデンに世界が注目

   新型コロナによるロックダウンで街から人が消えているヨーロッパだが、北欧スウェーデンの様子は一味違う。公園は人々で賑わい、カフェではたくさんの人がコーヒーや紅茶を飲んでいる。保育園・小学校・中学校は休校せず、立食やバーカウンター形式を除き、飲食店などは通常通り営業。集会も50人以上は禁止されているが、50人以下ならオッケー。入国制限もEU、イギリス、スイスからはオッケーと比較的ゆるい。

   スウェーデン公衆衛生局は、できるだけ多くのスウェーデン人を緩やかにコロナ感染させる、すなわち集団免疫の獲得による感染抑制を目指している。疫学責任者のアンデシュ・テグネル氏は「医療崩壊を起こさないよう緩やかに感染者数を上げ、国民の半数以上が感染し抗体を作るべきだ」と語る。

高齢者を隔離、集団免疫獲得を目指す戦略が吉と出るか凶と出るか

   そのために政府が行う対策が高齢者の隔離だ。持病がある人、70歳以上の高齢者に外出自粛を要請し医療崩壊を防ぐ試みだ。買い物に行けない人はアプリなどを通じて市民ボランティアが買い物を代行。さらに自主性を重んじる国民性が政府の方針を支える。スウェーデンのステファン・ロベーン首相は「すべての国民は自分のため、そして国のために責任を負わなくてはいけません」と語り、国民一人一人を外出自粛し、高齢者に接触しないようにすることで、厳しい規制をすることなく感染拡大を防ぐことができると訴えている。

   国民は「国を信頼しています。正直で隠し事がない」「国は国民が正しい行動をとると信じているし、国民も国が正しい決断をすると信じている」と語るが、一方で感染爆発を危惧する医師や学者が政府に請願書を出す動きも。

   トランプ米大統領の「スウェーデンと同じ対策をしていたら、アメリカでは200万人が亡くなっていただろう」という批判に対し、アンデシュ・テグネル氏は「現在の感染者数が維持できれば正しい方向へ進める」と反論している。果たしてスウェーデンのゆるい対策は成功するのだろうか。

   キャスターの立川志らく「ちょっと考えさせられます。日本はロックダウンできない国だから結果が良い方に転がれば真似るのがあるかもしれません」

   小林寅喆(いんてつ)教授(東邦大学)「集団免疫とは、多くの人が免疫を獲得する状態で、5-6割の人がコロナ感染すれば拡大は収まっていく。高齢者の隔離と、風邪症状がでた時の自宅隔離を徹底することが必要」

   安部敏樹(社会起業家)「日本が今このタイミングでやって大丈夫なのか。世界でもスウェーデンだけで、イギリスも集団免疫といったが、医療崩壊になるということで撤回した」

   伊沢拓司(WEBメディア運営会社代表)「スウェーデンは『国家は国民の家である。たくさん税金はいただきますが、国家が国民をちゃんと守る』ということを国民に周知している。医療インフラもよくできている」

   山田ルイ53世(芸人・作家)「街の声が日本と違いすぎますね。国を信頼している」

文・みっちゃん