2024年 4月 19日 (金)

いつまでたってもPCR検査が受けられない無策ニッポン!どうなってるの?安倍首相

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   埼玉県に住む20代の女性が、「クローズアップ現代+」に悲痛な声を寄せた。80代の祖父が重症の新型コロナウイルス感染症にかかり入院中だが、「PCR検査をもっと早く受けられたら重症化していなかった」と訴えた。

   祖父に37.5度の発熱があったのは4月6日だった。10日に再び発熱し、PCR検査を受けさせようと保健所に電話したが、1日中つながらなかった。翌日になると食事もできず、咳やめまいの症状が悪化して、12日に自宅で倒れ、救急搬送された。PCR検査はこの段階で受けた。

   しかし、治療は「結果が出てから」とされ、それまで自宅療養と指示される。陽性が判明したのは15日。症状は悪化し続けていたが、入院先が見つからず、さらに自宅待機を言われた。翌日に呼吸困難で倒れ、ようやく入院した。祖父は現在も集中治療室で治療を続けている。

1日2万件と言ってから1か月...いまだ8000件

   PCR検査の拡充が進まないことで、救急医療の現場にもしわ寄せが及んでいる。神奈川県の中核病院、東海大学医学部付属病院の高度救急救命センターには、新型コロナウイルスに感染した疑いのある患者が次々と搬送されてくる。救急患者は通常、近くの受け入れ可能な病院などに運ばれるが、感染の疑いがある患者の受け入れを拒否する病院があるため、ここに集中してしまうのだ。

   感染の疑いのある患者は1部屋に1人ずつ隔離しなければならず、部屋に空きのベッドがあっても使えなくなってしまう。さらに、感染の疑いのある患者の対応にはガウンやゴーグルなどの防護具が必要となる。PCR検査が広範にスピーディーに行えれば、こうした「疑いのある患者」を減らすことができる。

   なぜ行われていないのか。韓国では人口1000人当たり11.68件の検査を行っており、1.19件の日本の約10倍である。全国600カ所以上ある選別診療所で、医師が問診をして少しでも疑いあれば即座に検査を実施する。早ければ10分で検査できる。ドライブスルー方式などを利用し、多い時は1日およそ1万8000件の検査を行ってきた。こうした体制があるのは、2015年に流行したMERSの苦い経験があったからだ。

   日本では現時点で、1日当たり1万5500件の検査能力があるが、実際には8000件前後にとどまっている。厚生労働省大臣官房の迫井正深審議官は、「検査件数を絞ってきたということがあったのは事実」としながらも、「現場に近い医師会の判断のもと必要な人に検査を実施していくという好循環を作っていきたい。感染実態をしっかり把握することが必要だと思う」と説明した。

検体採取や防護具の使い方知らない開業医

   東京都医師会は、かかりつけ医が問診を行って、検査が必要と判断したら、医師会が運営する検査センターで検体採取を行う仕組みを作った。ただ、大きな課題がある。被検者のプライバシーを守るため、高層ビルや住宅地から離れた場所が確保できず、開設が遅れている。

   埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科感染症科の岡秀昭准教授は「地域で検査ができるようになった場合、検査を担う医師、開業医の先生方の中には、防護具の使い方や検体の採取のしかたに不安を持つ方もいます。マニュアルに加え、物品も現場に不足しています。検査を拡張されても、症状のない方の不安を取るための検査は、かえって医療崩壊を起こします」と話す。検査目的だけで人が殺到する可能性があるからだ。安倍首相は1日に可能な検査件数2万件まで増やすといって1か月近くがたつが、半分も実現していない。

   ※クローズアップ現代+(2020年4月28日放送「新型コロナ どう増やす?PCR検査」)

文   バルバス
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