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緊急事態宣言延長で京大・藤井聡教授がすすめる「半自粛」感染予防と経済活動の共存

   緊急事態宣言は延長されるようで、外出自粛も続き、営業休止などで飲食店や企業はいよいよ苦しくなりそうだ。「命を守ること」と「経済活動」のバランスをどうとっていくべきか。京都大学大学院の藤井聡教授が面白い提言をしている。キーワードは「半自粛」だ。

   「半自粛」とは、緊急事態宣言が解除され、都市活動が再開した時に心掛けるべきポイントで、自制をしながらルールを守って人と会うことを意味する。京都大の「レジリエンス実践ユニット」で行っているパンデミック研究において、ウイルス学や防災研究などの研究者と議論してたどり着いた考えだという。

   「大事なのは自制です。ルールを守れば外出して人と会っても、感染のリスクはゼロに近づけることはできます。仕事や生活の制限が少なくなることで、日本の経済も動き出します」と藤井教授は説明する。具体的なルールは(1)高齢者の徹底保護(2)換気を徹底(3)飲食中の会話自粛(4)カラオケ・性風俗の自粛(5)手洗い・マスク・鼻をほじらない、の5項目だ。

このままではコロナ自殺が急増

   過去20年間のデータを見ると、失業率が上がると自殺者も増えており、1989年のバブル崩壊による金融危機では、自殺者数は計約3万3000人にのぼった。京大チームの試算によると、今の状態が続けば、1年後にコロナが収束しても、その後20年間で累計自殺者は14万人にのぼるという。「コロナによって死亡する人、仕事がなくて自殺する人、どちらもゼロに近づけなければなりません。財政政策をしっかりして企業を支えることが第一ですが、どれだけやっても失業する人が出てしまう。その状態を少しでも緩和するために、『半自粛』で少しずつ経済を回すという考えです」と藤井教授は説明した。

   キャスターの立川志らく「ゴルフに行ったり釣りに行ったり、守れない人は今でもいっぱいいます。そういう人たちが果たしてルールを守れるのか。これはずっと先の話じゃないでしょうか。理想論に近いですよね」

   森まどか(医療ジャーナリスト)「時期を見誤ってしまえば、また感染拡大につながってしまいます」

   中島健太(画家)「今こういう議論をすると不謹慎だということを言われるが、自粛明けの経済をどう立て直すかも考えなければいけません。経済と感染症をどう共存させるかという議論が出てきたのは素晴らしいことだと思います」