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家庭ごみ収集パンク!外出自粛で「じゃあ、大掃除でもやろうか」普段の1・5倍

   新型コロナウイルス感染防止でテレワークや休校が広がり、このチャンスにと自宅を大掃除をする人が多いらしい。おかげで、家庭ごみが急増しているという。「見た目の感じでいうと、1.5倍ぐらいに増えています」と清掃員は話す。大阪・吹田市の担当者は「家庭から出るごみの量が多くなり、収集が遅れている地域もあります」という。ごみ処分事業所への直接持ち込みを禁じた自治体もある

   ごみ収集の作業には感染のリスクも伴う。公共のごみ問題に詳しい大東文化大の藤井誠一郎准教授は「自宅待機(の軽症患者)の方が出したごみがある可能性があり、そのごみ袋を収集する際に感染リスクは生じます。清掃事務所で感染クラスターが発生してしまうと、街にごみがあふれかえり、ごみ収集崩壊の危険性があります」と警鐘を鳴らす。

   とくに危ないのは、ごみ収集車の回転板を回した時に起こるごみ袋の破裂だ。中に入っている使用済みのマスクやティッシュが飛んでくるおそれがある。さらに、分別されていない空き缶などを袋から取り出す際に、飲み口に触れてしまう可能性もある。新型コロナウイルスは金属の上で最長9日間生き続けるという研究結果もあるのだ。

作業員はマスクなく新型コロナ感染の危険

   自治体の収集作業員にはマスクが支給されるというが、委託された民間のごみ収集業者の実態は悲惨だ。お笑い芸人と民間のごみ収集員の二足のわらじをはく「マシンガンズ」の滝沢秀一は、マスクが支給されないため、自作のマスクに水中メガネを装着して作業している。「(缶や瓶を)可燃ごみに入れる人って結構いるので、開けて取り出すのですが、『なんでこんな大変な時に分別しないんだよ』と思います」と怒る。

   ごみ収集崩壊を防ぐために注意すべきポイントは4つだ。(1)マスクやティッシュはポリ袋などに入れてから捨てる(2)ペットボトルや弁当容器はしっかり洗って捨てる(3)ごみ袋がパンパンだと破裂する可能性があるため、ごみ袋は満杯にせず、しっかり閉める(4)分別を徹底する。とくに(4)が大事だという。

   キャスターの立川志らく「私も時間があるのでいらない服を捨てようか、とごみを出してしまった。申し訳ないな、と反省しました」

   山崎大祐(社会起業家)「袋はパンパンにして出す方がエコだと思っていました。もっと想像力を働かせなければと思いました」

   ごみ収集を管轄する環境省の小泉進次郎大臣は「ごみ収集作業員を励ますため、ごみ袋にごみ収集車や作業員の絵を描くなどメッセージを加えて」と笑顔で訴えていたが、そんなことは大臣に言われてやることではない。収集現場にマスクや感染防止に必要なものを配布するなど、大臣がやるべきことは他にあるはずだ。