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<エール>(第30話・5月8日金曜放送)
裕一と音は東京で暮らし始めた...小さな借家でだれの祝福もなかったが「幸せな門出」だった

   古山裕一(窪田正孝)がぼんやりと福島・川俣の教会で天井を眺めていると、幼なじみの村野鉄男(中村蒼)と関内音(二階堂ふみ)が現れた。「コロンブスレコードが契約してくれるって。ねえ、やろう。もう1回挑戦しよう」と音は意気込んでいた。ところが、音との結婚を諦めた裕一は「僕は僕の人生を歩む。君は君の人生を歩んでください」なんて言う。

   鉄男「お前、何言ってる。東京へ行げ。な、俺も行って作詞する。お前は曲作る」

   裕一「どうしてみんな僕をほっといてくれないんだ」

   音「救われたからよ。だから、みんなあなたに幸せになって欲しいの。自分の人生を歩んでほしいの」

   裕一は、2人の説得もむなしくその場を去ってしまう。伯父の権藤茂兵衛(風間杜夫)が跡継ぎ問題で苦悩していると思い、裕一自身も苦しんでいたのだ。

「待たせてごめん...」

   権藤家を訪れた裕一は、祖母の八重(三田和代)と茂兵衛が話しているのを偶然聞いてしまう。話によると、自分は権藤家に何も期待されておらず、跡継ぎの中継ぎのような存在だった。つらい現実を知り、裕一は心を決めた。父・三郎(唐沢寿明)から音の住所を聞くと、東京に向かった。

   音「裕一さん...」

   裕一「音さん、待たせてごめん」。ひしと音を抱きしめた。

   新居は偶然入った喫茶店「バンブー」の裏にある借家に決まった。誰に祝福されたわけでもないが、2人の幸せな門出だった。

(NHK総合あさ8時)