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安倍首相の「新しい生活様式」こんなもの本気でやったら暮らしも経済もペシャンコ

   世の中はコロナ一色。どの週刊誌も誌面作りに苦労している。なかでも毎週のように政治家のカネや不倫スクープを発信してきた週刊文春の誌面が、このところ精彩がないように見える。今週も安倍首相や小池都知事、吉村府知事批判を繰り広げてはいるが、週刊新潮もそうだが、横並びという感は否めない。

   今、読者が週刊誌に求めているものは、自粛ムードを吹き飛ばすような、楽しい読み物、心躍る冒険ノンフィクション、人生を考えさせてくれる珠玉のエッセイなどではないだろうか。私なら、「競馬好き100人がこっそり、絶対教えたくない馬券必勝術」という特集があったら、真っ先に買って読む。世の中がどんよりしている時こそ、編集長、編集者の腕の見せ所だと思う。

   さて、その飽き飽きしている週刊文春、週刊新潮の安倍首相批判から。中国や欧米各国と比べて、日本の感染者数も死亡者数も極めて少ないのは、安倍首相のおかげでも、ましてや専門家会議のご尽力のおかげでも何でもない。無為無策なのにこの状態だということは、誰も恐くていい出さないが、日本は感染爆発が起こる前の状態だからではないのか。または、スペイン風邪のときもそうだったが、第2波のほうがより感染者も死者も多くなるかもしれないのだ。

   こうした国民の不安に、安倍首相も専門家たちも全く答えてはくれない。なぜなら、データを取っていないからだ。分かっているのは、リーマンショックのときより経済的損失は大きくなるということのようである。週刊新潮で第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストがこう話す。

   緊急事態宣言が5月31日まで延長されたことで、失業者は69万人超になるそうだ。「延長で6.5兆円が加わり、13.7兆円。GDPを年間2.5%押し下げます。(倒産に関しては=筆者注)リーマンショックのとき、通常より年間1400件以上増えたので、今回も1000件以上は増える可能性があります」

   さらに、「政府は今回、"新しい生活様式"を提唱しましたが、これを正直に守って行動した場合、最低3年、経済が戻らない可能性がある」というのだ。それもこれも、<総理が思考停止になって、経済については白旗を上げる専門家たちに、日本の命運を分ける判断を丸投げ>(週刊新潮)したからだ。

   われわれ国民が求めたいのは、新しい生活ではなく、新しい政権のほうなのに。

「ポスト安倍」採点してみると...小池、吉永、鈴木知事らは帯に短したすきに流し

   早くも、ポスト安倍が取り沙汰されているが、週刊朝日は、石破茂や小泉進次郎ではなく、今回のコロナ禍の中で存在感を高めた、地方自治体の首長たちの中から出て来るのではないかと見ているようだ。小池都知事、大阪モデルを提唱した吉村府知事、北海道の鈴木知事などの名が挙がっている。

   だが、小池はお父さんたちの受けが悪いと、週刊現代が×マークを付けている。簡単にいえば、上から目線の、命令口調が我慢ならないということである。何かというと、「おうちにいましょう」「東京にいましょう」「命を救いましょう」というが、小池のいう「STAY HOME!」「STAY IN TOKYO」「SAVE LIVES」は、「家にいろ」「東京から出るな」「命を救え」と命令調である。

   志村けんが亡くなった時、「コロナの危険性をみなさんに届けてくださった、最後の功績だ」といった。これもお父さんたちが、小池を嫌いな理由である。さらに週刊新潮は、小池は、コロナ対応ベッド数に余裕があり、重症者の病床使用率が21.7%で大阪と比べても優秀なのに、誤魔化して危機感を煽っていると指摘している。

   吉村はどうか。週刊文春によると、元CAの妻との間に3人の子どもがいる。故・やしきたかじんの顧問弁護士になったことで、橋下徹との縁ができた。橋下の子分というイメージは拭えない。橋下が現役のときに推進した病院の統廃合で、「人口10万人に対する感染症病床数は全国ワースト5位から2位に順位を上げた」が、それの弊害を決して認めようとしないそうだ。パチンコはいけないが、カジノはいいというのも分かりにくい。所詮、橋下徹のポチというところから抜け出せないようだ。

   鈴木知事の支持率は88%もあるそうだが、週刊文春にいわせると、夕張破たん時に総務大臣を務めていた菅官房長官と親しく、菅の操り人形だといわれ、何かというと「国に聞いて」を連発するそうである。

   やはりどれもこれも帯に短したすきに長しのようだ。週刊ポストは、総裁選までのつなぎに公明党の山口代表を据えようという案が出ていると報じている。たしかに、社会党の村山富市を首相に据えて、河野洋平・自民党が政権を取り戻したことはあった。だが、公明党というのは、宗教政党だけに、国民の反発が強くある。そこで、何とでもなる(とは書いてないが)国民民主党の玉木代表を入れ込み、3党連立で公明党色を消そうというのだ。

   そんなバカなとは思うが、バカな連中が集まって企てようというのだから、何が飛び出すかわからない。どちらにしても、安倍の時代は終わりを告げつつある。そのことは間違いない。

怖い!コロナ最中に地震――よりによって首都圏で頻発

   医療崩壊をさせてはいけないと、政治家もメディアも口をそろえるくせに、この男には取材をしないではないかと、長野県元知事の田中康夫がサンデー毎日で吠えている。<「『越境感染症や人獣共通感染症、国際的な食の安全、バイオテロ等への危機管理と国際対応の資質を持った人材の育成』と国際戦略特区『口上書』で述べていた加計学園岡山理科大学獣医学部に君臨する加計孝太郎氏に『電凸取材』すら行いません」>。取材すれば、「うちにはそんな人材など育っていません」と答えるのだろうか。

   新型コロナウイルス肺炎というのはひどい苦しみがあるといわれる。世界的な臓器移植の権威である加藤友朗コロンビア大医学部外科教授が、自身が感染した時の恐怖体験を語っている。強烈な筋肉痛と倦怠感、38度5分の熱が出て、PCR検査を受け陽性と判明したのが3月19日。初めは自宅待機だったが、シャワーを浴びている時に呼吸ができなくなりICUへ。その後、容態が悪化しエクモを使用したそうだ。6日間意識不明になり、今もまともに歩けずリハビリ中で、もしまた重症化したらという恐怖があるという。

   日本ではコロナに加えて、このところ頻発している首都圏地震が心配だ。フライデーで、東海大学海洋研究所で地震予知・火山津波研究部門長を務める長尾年恭教授が、「最近、関東で増えている震度4以上の地震は『首都直下地震』の前兆かもしれません。時期は断言できませんが、関東の地盤で異変が起きており、いつ巨大地震がおきてもおかしくはありません」と不気味な予言をしている。

   東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授は、東京千代田区を中心に半径約100キロの地域で起きたM5以上の地震の数を調べているが、普通は年平均3.1回なのが、3・11以降から昨年までだと5.2回、今年はこの上旬だけですでに5回も起きているという。コロナに地震か。また夜眠れないな。

何に使う?一人10万円給付金――プリンター買い替え、外食・旅行したい

   たまにはプレイボーイを。まだ受け取っていないけど、安倍ちゃんが何をとち狂ったのか、一人に10万円ずつ配るといい出した。それを何に使うのか、男女1000人にガッツリ聞いたという特集を組んでいる。女性は「年収300万円未満」が75%。男は「300万円未満」が39.2%、「300万円から500万円未満」が29%だという。「貯金はしない」は女性は28.4%、男は38.4%である。

   使い道は、男は外食以外の食費が28.8%。趣味・娯楽が23.1%。外食以外というと家で出前でも取るのか。趣味・娯楽は女性は14.6%しかなかったという。女性の方が余裕がないのか。

   「10万円で買いたい」「したいこと」のトップは、男は壊れたプリンターを買う。固定資産税と自動車税で終了。引っ越しの費用に充てる。女性は、コロナが収まったら外食や旅行がしたい。スキンケア、除菌や殺菌する衛生用品の購入。中には体外受精するので、その費用にというのがある。体外受精の費用ってとっても高いんだろう? 10万円では足しにもならないのでは。

   まあ、10万円なんて、あっという間に消えてしまう。もう2、3回くれないとありがたみはないだろうな。

   最後は週刊ポストから。ビートたけしが、ナインティナインの岡村隆史の発言を叱っている。岡村がラジオの「オールナイトニッポン」で、「コロナが明けたらカネに困った美人が風俗嬢になるから楽しみだ」といったことが問題になり、NHK番組の「チコちゃんに叱られる」を降ろせという騒ぎになり、岡村は謝罪したが、まだ収まらないようだ。

   たけしは、昔の深夜番組は、熱心なファンが聞くだけのものだったが、今では、そこでいったことがネットで流され、<「深夜だからお目こぼし」とはならないという。今のようなご時世に発言するなら、頭をフル回転させて話せ。さらに、「岡村もそもそもこういう話をトークのネタに選ぶ時点でセンスがなかったね。いま笑いのネタにするなら『庶民』じゃなくて『政治』を狙わなきゃダメだろう。

   安倍サンなんて、縮んで口が飛び出しちゃいそうな給食当番マスクで国会に行ったり、お笑い芸人よりもカラダを張って笑いを取りに行ってるんだからさ(笑い)」>

   たけしも、営業自粛をしていないパチンコ店の名前を公表した小池や吉村知事に、「センスがない」と批判している。たけしは、自分のことじゃないと、まだまだ少しは笑わせることができるようだ。(文中敬称略)

【絶対当たらない馬券術】アーモンドアイあの惨敗から立ち直れない...東京に強いプリモシーン本命

   今週は「ヴィクトリアマイル」。現役最強馬といわれるアーモンドアイが有馬記念の惨敗から立ち直れるかが焦点。有馬記念のビデオを見直したが、やはり負け過ぎ。一度大敗した馬が巻き返すのは難しいし、年明け初戦の馬が勝つことのないのが当該レース。

   よって、本命は東京に強いプリモシーンにした。鞍上のレーンは、昨年このレースでノームコアを勝たせている。対抗はダノンファンタジー。単穴にアーモンドアイ。△はシャドウディーヴァ、ビーチサンバ、ラヴズオンリーユー、ノームコア、サウンドキアラまで。GOODLUCK!

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、 『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。