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木村花さん出演の「テラスハウス」では制作側が出演者をキャラ立ちさせていた!?

   男女6人の共同生活を追った台本のないフジテレビ系のリアリティ番組「テラスハウス」にも出演していた女子プロレスラーの木村花が23日未明(2020年5月)、22歳の若さで亡くなった。

   木村さんの「テラスハウス」出演をめぐって、SNS上では「いなくなればみんな幸せ」「マジで消えてくれ」「テラハにはいらない。出ていって」などの誹謗中傷が多数書き込まれていた。こうした書き込みに対し、タレントの藤田ニコルさんや武井壮さんらがツイッターなどで怒りの声を上げている。

英BBCニュースなど海外メディアも大きく報道

   「テラスハウス」は海外でも配信されているため、英国BBCニュースは「Netflixスターで日本人レスラー・木村花が22歳で死去」と報じ、米国のツイッターではトレンドワードの1位になるなど、海外でも注目されている。

   木村さんは去年(2019年)10月から「テラスハウス」に出演。リングで見せる荒々しさを封印し、コメディアン志望の男性と惹かれ合うようになるが、男性の身勝手な言動が目につき距離を置くように。そして男性とトラブルが発生。木村さんが大切に使っていたプロレス用のコスチュームを洗濯機の中に置き忘れた。これを男性が気づかずに洗濯・乾燥して、大事なリングコスチュームが縮んでしまった。

   番組で木村さんは「入れたまま出かけた花も悪いけど、命の次に大切なものに乾燥かけやがって」と男性にきつく当たったことで、SNSで彼女を非難する書き込みが急増した。

「人気番組なのでアンチも多く、覚悟して出演している」

   かつて「テラスハウス」に出演していた男性は、「ニュースで知って正直他人事じゃないとビックリしている。人気番組なのでアンチも多く、大人はもうちょっと守れなかったのかという思いはある。番組に出演するとSNSのフォロワーは急激に増え、その中には嫌がらせもあるが、覚悟して出演している。番組では制作側がうまいように出演者をキャラ立ちさせていく感じがあるが、使われないシーンもあり伝わらない部分がある。誤解される可能性はあると思う」と話した。

   エンターテインメント事情に詳しい映画ライター・よしひろまさみちは「今は出演者が持っているSNSのアカウントや番組のアカウントとダイレクトにやりとりができるので、問題はどんどん顕在化している」と指摘した。

   ネットで誹謗中傷の被害を受けたタレントの川崎希は「自宅の住所が載せられて、着払いでものを送ろうと呼び掛けられた」と苦悩を明かした。川崎は去年裁判所に発信者情報の開示を請求し、書き込みをした2人を特定し告訴した。今年3月に2人は侮辱罪として書類送検されている。

   ハリセンボンの近藤春菜「言葉は人を救うことがあるけど、傷つけることもあります。言葉を発する覚悟がないといけないと思う」

   司会の加藤浩次は「相手を傷つけて自尊心を削り取る言葉は絶対にダメだ。取り締まらなきゃダメです」

   読売新聞特別編集委員の橋本五郎「SNSの根本的な問題が突き付けられています。自分は身を隠して相手を否定するのは許されないことだ。開示請求は時間がかかるので、ネットの管理者にはちゃんとしてもらいたい」

   菊地幸夫弁護士によると、「悪質な誹謗中傷があった場合には、裁判所に情報開示請求を行うことができ、名誉棄損罪や侮辱罪に問われる可能性もある。ただし時間がかかるので、現在は法務省で見直しが検討されている」という。