2020年 10月 30日 (金)

オーストラリア第3の都市、ブリスベン空港に置かれた赤いピアノが奏でる哀愁
<空港ピアノ オーストラリア・ブリスベン>(NHK BS 1)

    筆者のマンションから15分ぐらい歩いたところにある私鉄の駅に、昨年、アプライトピアノが置かれた。いわゆる駅ピアノであるが、近くに音大があるにもかかわらず、ロクなピアノ弾きに出会えない。遊び弾きの騒音公害である。そう思っていたら、管理者もうるさいと思うのか、近頃は鍵をかけて弾けないようになっている。

   NHKが以前から「駅ピアノ、空港ピアノ...」を撮っているのは知っていたが、見る暇がなく、今回初めて再放送を見た。オーストラリアのブリスベン、人口230万人の第3の都市である。珍しくまっ赤っかのグランドピアノである。次々に弾き手が現れる。圧倒的に男が多い。それも中年の紳士たち。中に軟派音楽だが、タッチが上手いと思っていたら、ぞろぞろと別の楽器のメンバーが集まってきて、実はプロのミュージシャンたちなのであった。

   ある黒人の青年はインタビューに答えて、「オーストラリアが自分を難民と認めてくれた」のでここにいられると明るい顔でいった。アフリカから逃げてきたのである。学校の先生だという白人のオバサマもいる。最後に見事な『カノン』を弾いた白人男性は、昼間は別の仕事をしていて、夜はピアノ弾きとして稼いでいるとか。

   空港は人生の縮図のような場所である。赤いピアノが奏でる素人っぽい音楽は、みんな照れ隠しに明るくふざけて去ってゆくが、つかの間のふれあいという哀愁をそこはかとなく感じさせて美しい。(放送2020年5月24日13時~)

   (黄蘭)

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