久しぶりに福島の実家に帰ってきた古山裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)。父の三郎(唐沢寿明)が、幼なじみの楠田史郎(大津尋葵)や元従業員の大河原隆彦(菅原大吉)など懐かしい仲間を招き宴会が始まる。
皆が楽しく飲んでいるさなか、弟の古山浩二(佐久本宝)が役場の仕事から帰宅する。
浩二「よく、へらへら帰ってこれるな」
返事に困った裕一に代わって音が説明。
音「裕一さん、福島市内の校歌作って。その完成披露会に招かれたんです。裕一さん、故郷に恩返しがしたいって」
浩二「恩返しだったら親兄弟が先だろ。一曲売れたぐらいで大物作曲家かよ」
浩二は相変わらず裕一に冷たい。宴会のあと母のまさ(菊池桃子)と音が台所で洗い物をしながら話す。まさは裕一が音楽家になることに反対していたが、今では音に感謝していると伝える。
音「私のほうこそ感謝しています。お義母さんが手紙をくださったから、福島に帰ってこられました」
まさ「どうがこれがらも裕一を支えてやってね」
音は、三郎が宴会の間、胃が痛そうにしていたのを見たため心配する。まさは胃潰瘍で医者に行っているが、心配する必要はないという。それでも気になる裕一と音はしばらく福島に滞在ことにする。
翌朝、裕一は封筒にお金を入れ、まさに渡そうとすると、そこに浩二がやってくる。
浩二「そんなもん、受け取んなぐていいがらね」
裕一「僕と音の滞在費だよ。余ったら父さんだぢにうまい酒でも飲ませでやって」
裕一は、浩二が三郎の体調について隠していると感じて、本当のことを知りたいと浩二にせまる。
浩二「父さん、もう長ぐねぇんだ。胃がんだって。もう手の施しようが...」
裕一は呆然とする。
浩二「父さんの前で、そんな顔絶対すンなよ。俺らだって、父さんの体に気遣いながら必死に隠しでだンだから。ばれだら、ただじゃおがねえがらな!」(NHK総合あさ8時放送)