これからの季節に気になるのが「汗」だが、小林孝司アナが「実は今年、悪い汗をかく人が多くなるかもしれないんです」と切り出した。
悪い汗とは何か。大阪国際大学人間科学部の井上芳光教授が「汗の中に塩分をたくさん含んでいる汗のことです」と解説する。
塩分濃度が高い汗は、濃度が低い汗より水分の蒸発に時間がかかる。「汗で最も大切な、体から過剰な熱を奪う働きを悪くします。すると体温がどんどん高くなり、熱中症のリスクを高めます」(井上さん)
汗は血液の中の水分や塩分を汗腺が取り込むことで作られる。汗が皮ふの表面まで向かう間に、体にとって必要な塩分は血液中に戻るのだが、今年は外出自粛で汗をかかない生活が続いた。汗腺がお休み状態になり、汗を作る機能も塩分などを体に戻す作用もおろそかになっているため、塩分濃度が高い汗が作られてしまうというわけだ。
汗・におい専門医の五味常明さんは「今年の汗はニオイも強いんです」と警告する。
汗が皮ふ表面に長く留まると、汗でふやかされた角質をえさにニオイを作る細菌が大量に繁殖してしまうという。
五味さん「ベタベタ汗をかいている人は塩分濃度が高いだけでなく、アンモニア、乳酸などのニオイ成分が一緒に出ている可能性が高い。ニオイが強い可能性も高いです」
小林アナ「逆にいい汗はどんな汗かというと、小粒でサラサラしている。目に見えないくらいの、肌がしっとりする程度の汗がいい汗だそうです」
汗の質を改善するには、涼しい場所でジョギングやウォーキングをし、じんわりと汗をかくようにするのが効果的だ。2週間ほど続けると効果が出てくるという。
すでに汗のニオイが気になっているという人は、汗をかいた後に湿ったタオルで体を拭くよう五味さんが勧める。ニオイ成分や塩分は水に溶けやすく、湿ったタオルを肌に軽く当てればそうした成分を吸い取ってくれる。皮ふに湿り気を与えることで、その水分が蒸発する時に汗の代わりに体温を下げてくれる効果もある。