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Go Toキャンペーン「東京外し」は首相官邸の小池都知事いじめ?コロナ対策などそっちのけで政争

   安倍内閣が新型コロナウイルスの経済対策と称している「Go Toトラベルキャンペーン」は、東京都だけを外して実施されることが、きのう16日(2020年7月)に決まった。東京都民と都内への旅行を対象外として、予定通り、来週の連休前日の22日から開始する。

   東京都ではきのう16日、過去最多の286人の新規感染者を確認したが、「東京外し」はそれだけが理由じゃなさそうだ。

政府関係者「この状態をつくりだしたのはいったい誰なんだ。よーく考えろ」

   Go Toキャンペーンについて小池知事はおととい15日、「(延期すべきか)『Go Toトラベルキャンペーンは『よーく考えていただく』必要がある」と話していたが、きのうの記者会見でも「国の方で『よーくご判断された』ことかと存じます」と不機嫌そうに繰り返した。

   西村康稔経済再生相は「Go Toキャンペーンについては国の方で整理してほしいと、(小池知事から)宿題を投げかけられたような格好でしたから、私どもで答えを出した」とあてつける。

   ある政府関係者はFNSの取材に対し、「そっくりそのまま返したい。あなたが『よーく考えるべき』だと。この状態をつくりだしたのはいったい誰なんだ」「東京都が軽症者向けのホテルの確保など有効な対策を打たなかった責任は極めて大きい」と、ざまを見ろと言わんばかりだった。

   東京外しについて、国から説明があったか問われた小池知事は、「説明はございません」と言い切ったが、西村再生相は「当然、分科会に諮る前に連絡をとってお伝えさせていただいています」と、ここでもバチバチ火花が散っていた。

国のキャンペーンとしては、憲法上の平等原則に反するおそれ

   政治ジャーナリストの田崎史郎氏によると、政府内では、当初、東京だけ除外する案と、東京・埼玉・千葉・神奈川の首都圏と大阪を対象にする案の2つがあったが、東京都の感染者数が増加していることや小池知事自身が都外への移動を控えるよう呼びかけていることが決め手となり、東京外しが決まった。

   若狭勝(弁護士)「旅行自体はいいけど、東京だけは支援しないというのは、税金を使っての国のキャンペーンとしては、憲法上の平等原則に反するおそれがあります」

   中瀬ゆかり(「新潮社」出版部部長)「(小池知事も)ずいぶん皮肉な言い方をしていたし、政府も小池知事に対する当てこすりのようで、感情論が入ってきている気がします。経済を回すということでいえば、東京を外して効果があるのか。それなら全体を延期する方法はなかったのでしょうか」

   司会の小倉智昭「東京と国がギスギスしたのは、最初の都知事選や東京五輪の予算削減問題からですよね。個人的な感情のしがらみが、こんなことに持ち込まれているのは、冗談じゃないと思いますね」