2020年 12月 4日 (金)

病院薬剤師の忙しい日々をイキイキと演じる石原さとみ。だが、脚本、演出ともに疑問点もあり
<アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 第1回>(フジテレビ系)

   筆者が嫌いなCMは日本調剤の、久保純子が甘ったれ声で薬剤師を持ち上げるCMである。医者や家族に聞けない心配事を薬剤師に話して安心するという内容だ。説明する紙幅はないが、このドラマはこれを逆手に取ったところが新鮮である。医者に見下だされ、誤診を指摘すれば怒鳴られ、患者、医者、看護師優先のエレベーターにも乗れず、常に階段を駆け上がる肉体労働者の病院薬剤師の日常。

   葵みどり(石原さとみ)は8年のキャリア薬剤師。糖尿病の少女や蜂に刺されて命が危うい患者たちに寄り添う。だが、患者の様子を見て回っていると薬剤部主任には遅いと怒鳴られ、新人・相原くるみの指導もしなければならない。髪はひっつめて頭のてっぺんにダンゴまるめ、口紅1つひかない色気のなさで頑張る石原が、スターならば敬遠する役柄を生き生きと駆け回り演じているのはいい。

   疑問なのは、医師の処方に疑問を呈したみどりが、懲罰委員会にかけられる顛末だ。病院中が忙しくて人手が足りないと言っているのに、大講堂に医師や看護師や大勢が集まって、懲罰に値するかどうかの審議をする。これこそ忙しい忙しいと表現しているテーマと矛盾しているのではないか。まるで『ドクターX・大門未知子ドラマのカンファレンス』シーンみたい。また、新人の相原くるみが普通人の目で病院という場所に驚く演出も、他にやることがあるだろうと突っ込みたくなる。つまり、脚本がイマイチなのだ。(放送2020年7月16日22時~)

   (黄蘭)

採点:0.5
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