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ネット誹謗中傷に苦しんだ春名風花さん、泣き寝入りせず情報開示や訴訟で10年「戦う人が増えれば世の中は変わります」!

   ネット上での誹謗中傷が問題となっているが、昨年2019年に総務省の違法・有害情報相談センターに寄せられたトラブル相談件数は5198件と高止まりが続いている。どう戦っていけばよいのか。スッキリは、誹謗中傷に苦しんだ女優の春名風花さん(19)に話を聞いた。

   0歳でデビューし、特技の早泣きで天才子役のはるかぜちゃんとして活躍した春名さん。9歳から始めたツイッターでは社会に対する鋭い視点も注目された。

   しかし、同時に「子供のくせにツイッターをやるなんて」「死ね死ね死ね」「すれ違い次第殺害する」といった誹謗中傷も始まった。

加害者特定に1年以上、「死ね」だけでは殺害予告にならない難しさ

   春名さん本人だけではなく、「両親自体が失敗作」など親に対するアンチや、学校の同じ部活の人がからまれるなど、周囲にも迷惑がかかった。誰かわからない何千人にいわれている感じになったという。警察にも相談に行ったが、当時はまだSNSの誹謗中傷に意識が浸透しておらず、「芸能活動やめたら」など取り合ってもらえなかったという。

   一昨年、春名さんは民事訴訟を起こすことを決意する。しかし、弁護士によると「死ね」は「殺す」ではないので殺害予告にならないなど、誹謗中傷には訴えやすいものとそうでないものがあることを知らされる。3年経つと時効となって名誉毀損では訴えられない。

   加害者の特定にも時間がかかる。まずツイッター社に情報開示請求を行ったのち、プロバイダーに個人情報の開示を求めるのだが、プロバイダーとの裁判にも1年以上の時間がかかるという。訴訟費用も大きい。100万円をアルバイトで貯めた春名さんは「なんであの人のためにお金を稼がなきゃいけないんだろう」という気持ちになった。

   情報開示請求中の春名さんに、加害者からとみられる一通のメールが届いたが、書かれていたのは「示談をしたいがお金は払えないので身元を明かします」「示談金を払わなくて済むなら謝罪したい」というもの。反省していないと感じた春名さんは示談を拒否。19年11月に加害者が特定でき、春名さんは今年1月に265万4000円を請求する民事訴訟を、翌2月に刑事訴訟を起こした。

   すると、加害者から「請求金に加え50万を支払うので刑事訴訟を取り下げて」と連絡が入り、謝罪と二度と誹謗中傷しないことを条件に、刑事訴訟を取り下げた。

   誹謗中傷の理由は、単に暇だからやっただけだったという。今も「慰謝料払う必要なし、春名風花はさっさと自殺しろ」などの誹謗中傷は続いている。しかし春名さんは「戦おうとする人が増えるほど世の中は変わっていくと思う」と語る。

   司会の加藤浩次「これだけ大変だから泣き寝入りする人が多い」

   近藤春菜(お笑いタレント)「よく戦われてこられた。抑止力になる、刑が軽いことも考えなければいけない」

   前田裕二(実業家)「ユーザ情報を取ることができるという前提で規約を結ぶなど、法改正しなければいけない。315万払ったのは匿名を維持したかったから。批判と誹謗中傷の切り分けもポイント。批判は作品に対して、誹謗中傷は個人に対して」