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辞任発表の日、安倍にストレスを与え続けた昭恵は「何の用事かしら?」といぶかりながら官邸に向かったという。妻に何も言っていなかったとすれば、「仮面夫婦」といわれる安倍夫妻を象徴する"事件"だ

   安倍晋三首相にストレスを与え続けたという意味では、この人の右に出る者はいないだろう。妻の昭恵である。女性セブンによれば、8月28日(2020年)、突然、官邸に呼び出された昭恵は、「何の用事かしら」と訝(いぶか)りながら向かったという。「そこで血相を変えた総理と対面することになった。総理から辞任することと、想定以上に深刻な病状を伝えられ、さすがの昭恵さんも絶句したそうです」(官邸関係者)

   その後、首相公邸のテレビで安倍の辞任表明会見を見ていたというのである。辞任直前まで、妻に何もいっていなかったとすれば、「仮面夫婦」といわれ続けてきた安倍夫妻を象徴する"事件"であろう。

   たしかに、17日と24日に慶應病院に行く際にも、昭恵は同行していなかったようだ。安倍は8月に入ってから、早めに自宅へ引き上げていたといわれる。自宅の3階には母親の洋子、2階に安倍夫妻が住んでいるそうだ。昭恵には話さなくても、マザコンの安倍は、洋子には辞任の意向を伝えていたはずだ。持病の悪化も、もしかするとがんかもしれないということも。

   それでももし、昭恵には何もいわなかったとすれば、これまでさんざんお前のおかげで苦労を掛けられてきたと、安倍がブチ切れて、「辞任離婚」が現実のものになるかもしれない。まあそうなっても、昭恵のことだから、居酒屋UZUの女将として、面白おかしく生きて行くと思うのだが。

  • 安倍昭恵
    安倍昭恵
  • 安倍昭恵

菅義偉がプレジデントで連載中の「人生相談」のコラムが面白い。総理になっても続けてくれないか

   ところで、隔週刊誌プレジデントで、菅義偉が「戦略的人生論」という連載を始めたのは9カ月前である。小倉健一編集長はよく知っているが、雑誌編集者としては昨今珍しい、とんでもない企画を考えられる、先見性のある男である。今回は結婚したいと思っている彼女の金銭感覚がデタラメなので、どうしようかと思案している学生からの相談。

   菅の答えは、「人生には『長期戦略』の視点が必要。家庭の『財政』について考えてみろ」と答えているが、その中に、「政治の要諦は『国民から見て当たり前のこと』を実行していくことだと常々考えてきました。世の中には当たり前ではない状態のまま放置されていることがたくさんあります」というのがある。

   たとえば携帯電話料金もその一つだとして、2018年に「携帯電話料金を4割下げる」と表明し、他社に乗り換える際に約1万円払わされていた違約金を1000円以下にすると義務付けたと、実績をアピールしている。だが、携帯電話料金は4割どころか、大きく下がってはいない。せめて、60歳以上は今のままで、その下の世代は4割に下げる、母子家庭は無料にしたらどうか。今度は総理大臣だから、そのくらいのことが出来なくてどうする。この人生相談、総理になっても続けたらいい。そうすれば、永田町とは全く違った「庶民の生の声」が聞けて、われわれも総理の「お言葉」を知ることが出来る。どうかね小倉編集長。

小池百合子
小池百合子

小池百合子よ、ここまで来たらアンチ菅の急先鋒になってくれ。間違っても就任祝いの花なんか持って行くなよ

   政権誕生となれば、その敵役としてまたまたクローズアップされるのが小池百合子都知事である。何しろ「GoTo」トラベルキャンペーンを始めるとき、「冷房と暖房を同時につけるようなもの」という名言を吐いて、安倍や菅のやり方を批判したのだから。その上、東京に住んでいる人間を「GoTo」からはずさせ、このキャンパーンの失敗を決定づけたのも小池だった。

   新潮によれば、その意趣返しではないが、安倍が辞任する際、新しいコロナ対策をまとめたと発表したが、新型コロナウイルスをこれまで、「結核やSARS、MERSといった二類感染症以上の扱いをしてきた」が、今後は政令改正を含め、運用を見直すといったのである。二類から外すということは、コロナで入院、治療するなら患者が自分で負担しろということだ。これでは、私のような由緒正しい貧乏人は、コロナだとわかっても、カネがないから病院へは行けなくなる。

   要は、コロナなんか怖くないから、経済活動を優先してくれということだが、これに真っ向から反旗をひるがえしたのも小池だった。8月27日の会見で、引き続き23区内では、お酒を提供する店、カラオケ店には9月15日まで営業時間の短縮を要請したのである。

   「日本から独立でもしたか、と錯覚させられる」と、新潮は驚いてみせる。 専門家と称する人間たちも、第2波はピークアウトしたと、はっきりした根拠を示さず、政府の「要請」通りに、コロナみんなで働けば怖くないと、大合唱を始めた。冗談ではない。政府や専門家たちの下心のある"宣伝"を真に受けて、満員電車、夜のバカ騒ぎを復活させたら、また元の木阿弥である。

   小池のような居丈高なやり方は好きではないが、大学は開校し、東京人の他県への移動などを解禁するのはいいとして、夜の盛り場でのどんちゃん騒ぎは、当分自粛はやむを得ないのではないか。小池はここまで来たら、アンチ菅の急先鋒になり、菅に絡んでやれ。間違っても、就任のお祝いなどと称して、花なんか持って行くなよ。だが小池ならやりそうだな。

フジテレビ堤礼実アナと横浜DeNA神里和毅のロマンス、久しぶりの美男美女、私は応援したいな

   さて、私はまったく知らないが、イアン・ブレマーという偉い国際政治学者だそうだ。何でも2011年に「Gゼロ」という、アメリカの主導的役割が低下していることによって、経済的効率性が失われ、各地で深刻な対立が浮上するという概念を発表し、警鐘を鳴らしたという。そのブレマーのインタビューがニューズウイーク日本版に載っている。何をいっているのか高尚過ぎて理解できないが、日本についてのところだけを紹介してみよう。

   「世界の人口は高齢化してきているが、日本はすでに高齢化社会で、この問題への対処法を講じ、既に1人当たりのエネルギー使用量も減っている。世界は先進的なインフラや技術を創出し、労働に代わって高度な知性で対処していかなければならないが、日本ははるか先を進んでいる。

   日本モデルは国内では持続可能だ。そうした点で、他国からしてみれば、渋々ながらでも教訓として見習わなければならない多くの問題に日本はすでに取り組んでいる」

   この人、日本についてはあまり詳しくないのではないか、そんな疑問が湧く。また、米中が激しく対立すれば、アメリカにどっぷり依存している日本は、「貿易、観光業、それ以外の分野でもかなり大きな影響を被るだろう」「日本が軍隊をつくって『普通の国』になる必要があるとは思わない」ともいっている。

   さて、安倍辞任とコロナばかりで飽き飽きしたという方も多くおいでだろう。少し軟らかい記事を紹介しよう。フライデーから。フジテレビに堤礼実アナ(26)という美人がいるそうだ。読んでみると、私が毎週欠かさず見ている日曜日の『みんなのKEIBA』に出ている、すこぶるいい女ではないか。

   といっても、こちとら、その時間には負けがこんでいて、女子アナの顔なんぞじっくり見ている場合ではないのだが。彼女の相手が、横浜DeNAベイスターズの外野手・神里和毅(26)だという。私はかつて、巨人の熱烈なファンだったが、ここ20年、日本のプロ野球はニュースでしか見たことはない。ましてやベイスターズの選手など、監督でさえ知らないが、球界ナンバーワンのイケメンだそうで、フライデーによると、2人は横浜ベイエリアにあるマンションで"半同棲"しているという。

   2人は昨年夏ごろから交際をスタートさせたそうだ。フライデーの直撃に神里は、堤との交際については、「否定はしないですが......なんとも......」と、口ごもるが、まんざらでもないようだ。たしかに、マスクをしているが、イケメンであることはわかる。だが、美男美女って、案外うまくいかないもんなのだ。

   フライデーのいうように、以前は、女子アナが結婚するのはプロ野球選手と相場が決まっていた。だが野球人気が落ち込み、最近ではあまり大物女子アナと噂にならない。がんばれ神里!

坂上忍
坂上忍

坂上忍のパワハラは、みのもんたと同じ構図だ。視聴率が取れる男をテレビ局上層部は甘やかし過ぎだ

   お次は坂上忍(53)という生意気な男の話。文春によると、昼の情報番組『バイキング』(フジテレビ系)のMCである坂上は、まるで昭和の大スターの如く、周囲にスタッフを立たせたまま、椅子にふんぞり返り、禁煙のはずのところでタバコをくゆらせたり、本番前から缶酎ハイをあおったりしているという。生放送中に「鼾」(いびき)という字を読めなかった榎並大二郎アナを、延々責め続けてそうだ。私もこの字は読めないな。

   スタッフたちが坂上のパワハラに脅え、疲弊しているので、幹部スタッフが、制作局の局長に、坂上のパワハラの酷さを訴えたそうだ。だが局の判断は、『直撃LIVE グッディ!』を終了させ、坂上の番組は打ち切られるどころか、1時間拡大されたというのである。

   それに対して坂上はどう答えるのか。「今の時代、相手がパワハラだと言ったらパワハラなんだと。僕はそれ暴論だと思っているんですけどね」と言いながら、90分も持論を語ったという。鼾という文字が読めなかった榎並には、「鼾くらい読めないとダメでしょう。若干頼りないですけど、フジを背負っていかないといけない人だし」と、期待しているようなしてないようないい方。「生放送は"戦争"ですから、現場で至らないところがあれば怒ることもあります」「スタッフさんに負担をかけたっていう思いはあるし、一方で何年も言い続けてきたことが改善されないことへの不満もある」。

   そして最後に、「言いたいことが言えなくなったら、いつだって辞める覚悟はできていますよ」といって、愛犬を連れて去っていったそうだ。坂上は頭のいい男である。彼のいい分だけを聞けば、なるほどと思う。だが、問題は別にある。みのもんたのときもそうだったが、視聴率が取れるタレントに対して、テレビ局の上層部は甘やかし過ぎである。

   視聴率さえ取っていれば、何をやってもいいと歯止めがかからなくなる。割を食うのは、地道に番組作りをしているスタッフや、外部の制作会社の人間たちである。フジには特にそれを感じる。

売れる作家がふんぞり返り、中身のない本が幅を利かすパワハラ構図は出版社も同じだが...

   この構図は、出版社も同様である。私が編集長時代、某作家が連載を始めた。すると、その作家に関わる社内の人間たちが集められ、上の人間が、件の作家のフェアをするといい出した。売りはその作家の新刊で、初版何十万部からスタートするといった。だが販売の人間は、その作家の読者は減っていて、それほど売れませんよ、在庫が残って困りますといった。

   すると上が、「相手にはそれだけ部数を刷ったことにして印税を払えばいい。実際には5万程度刷ればいいじゃないか」と言い放ったのだ。かくして、売れるタレントや作家はふんぞり返り、売れないタレントや作家は1、2ヵ月しか暮らせないカネしかもらえない。そうやって、ベストセラーを出す、視聴率を稼ぐだけで、中身のない本や、ドラマや、ワイドショーの司会者だけが幅を利かし、世の中がバカになっていくのである。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。