年がら年中、買い物で与太って歩いている池袋が舞台だというので、「どれどれ」と見ているが、あまり池袋らしい場所は出てこない。繁華な街でロケなどできるはずがないもの、仕方がないか。
黒木賢司(田中圭)と神崎隆一(山田涼介)は池袋署刑事課のバディだが、実は父親(椎名桔平)が同じ異母兄弟。性格は真反対の生真面目な神崎と直感派の黒木が、今回は文科省の官僚でシングルマザーの美咲が、山の中で娘・望美と喧嘩し、置き去りにした事件を解決する。望美は誘拐され、それに母親が加担しているらしい。
事件解決の神崎のアイデアが余りにばかばかしいのでずっこけた。さも凄いアイデアを思いついたように演じる山田涼介の、風呂上がりのようにツルリとした顔を見ていると、笑ってしまった。何故なら、池袋という、薄汚れてやくざな街の斬った張ったの刑事が、綺麗なスーツを着てお目目パッチリ。お前は商社マンかい?
東京芸術劇場が出来て以来、すっかり雰囲気が変わったが、かつては、西口などヤーさんがぞろぞろで怖い街だったのだ。近くの某ホテルはカフェがその筋の人たちに占領されてトラブルだらけで大変だった。こんな歴史の残滓は今でも残っていて、ホテルマンは苦労している。池袋が舞台を標榜するドラマならば、それらしい設定を加味するべきである。売れっ子の田中圭は相変わらず飄々として味があるが、山田涼介は人気者でも、演技が生硬で嘘っぽい。(放送2020年10月2日22時~)
(黄蘭)
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