2020年 11月 27日 (金)

家族に捨てられた次男の絶望を描いて説得力がある。B級サスペンスと侮るなかれ
<今野敏サスペンス 呪縛 警視庁強行犯係・樋口顕>(テレビ東京)

   たかがB級サスペンスの2時間ドラマと言うなかれ。作家の原作物はちゃんと人間心理の襞が描けているので納得する。数年前に轢き逃げの罪で交通刑務所に収監され、晴れて出所した木工作業の職人・仲村秋生(高橋光臣)が、殺された風俗営業のいかがわしい社長殺しの嫌疑をかけられる。釈然としない樋口顕(内藤剛志)らが捜査をして真相を暴く物語である。例によって上司の天童(榎木孝明)や親友の生活安全課刑事・氏家(佐野史郎)らも協力する。
   如何にも疑わしい仲村秋生が、木工作業のコツをユーチューブで発信していた映像で、犯行時刻のアリバイが成立してしまう。ならば、犯人は誰だ? 秋生には優秀な兄がいる。彼は家族みんなの期待の星で、それに引き換え秋生は平凡な弟。実はこの兄が轢き逃げ事故を起こしていた。その時、母親が頭を下げて「身代わりになってくれ」と頼む。秋生は「自分は家族に捨てられた」と絶望する。
   犯人は関係のある女であったが、それは省略。別の登場人物に新聞記者の遠藤貴子(矢田亜希子)が登場する。かつてはちょっと癖のある美人として主演でもてはやされていた彼女も、近頃は脇役が多い。歳の所為か。もう1人、事件関係者の思春期の娘に批判される母親・河野夏子(田中美奈子)は事業を手広くやっている。母親が不在なので父親が家にいて、娘の不満を聞いてやる。昔とは大違いで、今は夫が母親役をしている家族の形態に時代を感じる。(放送2020年10月19日20時~)

(黄蘭)

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