問題作や連続ドラマに主演するスター俳優の上川隆也が演じるというので毎回見ているが、回が進むにつれて、一体作り手は何が言いたいのかわからなくなってきた。最初は長年連れ添った妻・夏代(安田成美)が、親族から相続した48億円もの遺産のことを夫の加能鉄平(上川隆也)に隠していたことで夫婦に亀裂が生じる。
鉄平と夏代の若き日も同時に描かれ、鉄平(松村北斗)と夏代(森田望智)の馴れ初めもわかるが、それがどうしたと突っ込みたくなる。筆者が面白く見たのは第3回で、会社でも憂鬱なことばかり起きていた時に、娘の美嘉(美山加恋)が妊娠していて、相手の男は東大の医学部生。その母親がやってきて、いきなり500万円差し出して「これで別れてくれ」と言う。偏差値80(!)のき〇〇〇と世間が見る『理Ⅲ』坊やにくっついてきた母親らしくて面白かった。
でもなあ。夏代が不倫していたらしい外資系の男(武田真治)の勿体つけた描き方といい、何を考えているのか、バカなのか利巧なのか判然としない夏代の描き方といい、いくら直木賞作家の作品だとしても、ドラマとしては感心しない。つまらんのだよ。
おそらく最終回で小さなどんでん返しがあるのだろうが、故郷でいきなり寿司屋を開く鉄平の心情も納得がいかない。はっきり言って支離滅裂。大企業のエリート社員だった人にしては頓珍漢。取りあえず、最終回を拝見しやしょうかい。(放送2020年11月8日22時~)
(黄蘭)
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